故KIDさんお別れの会 魔裟斗氏「本当にこの世にいないんだな」田口淳之介らも参加
9月18日に胃がんで死去した格闘家の山本KID徳郁さん(享年41)のお別れの会が4日、都内の青山葬儀所で営まれ、関係者の部では発起人の1人である歌手の田口淳之介、KIDさんのライバルだった元キックボクサーの魔裟斗氏、元ボクシングWBA世界スーパーフェザー級王者の内山高志氏ら約1000人が参加して故人をしのんだ。
KIDさんが設立したジム、KRAZY BEEの代表代行で、この会の発起人代表でもある服部竜真氏は「多くのみなさまにお別れをしたいという思いから、みんなで作った式」と趣旨を説明。KIDさんの思いを引き継ぎ、「堅くならず、悲しい思いにならないように」と、SNSでカジュアルな服装での来場を呼びかけた。
祭壇は、KIDさんの家族の意向を聞き、エネルギーが感じられる黄色をメインに、KIDさん主宰のジム、KRAZY BEEのロゴマークである二頭鷹を中心にデザイン。KIDさんの総合格闘技デビュー戦などの写真、絵を描くのが好きだったKIDさんの絵、追悼イベントが行われた多くの格闘技会場で書き込まれた寄せ書きなども飾られた。
そして、親族代表としてKIDさんの父で元ミュンヘン五輪レスリング代表の郁榮さん(73)があいさつ。幼い頃はいじめられている女の子を助け、いじめた相手とけんかをしていたという優しく正義感の強い性格を物語るエピソードなどを明かし、「最後まで弱音を吐かず、ファイターとして旅立っていきました。41歳と6カ月、徳郁は精いっぱい駆け抜けていったと思います」と、がんと闘った息子にねぎらいの言葉を送った。
現役時代にKIDさんと激闘を繰り広げ、15年にはKIDさんの最後の相手となった魔裟斗氏は遺影を見つめながら、「この場に立つと、本当にこの世にいないんだなと実感がこみ上げてきます」をあいさつ。「2004年大みそかに大阪ドーム、超満員で戦った試合、アドレナリン出まくって唯一戦って楽しかった試合で、本当に盛り上がりましたね。最後まで現役選手、お疲れさまでした。KID、今までありがとう」と激闘の記憶を振り返った。
そして、KIDさんの姉・美憂の長男で総合格闘家のアーセンは涙をこらえ気丈にコメントした。「オレ、やっと今、格闘技の楽しさとか分かってきたのに、今逝ってもらっちゃきついな。まだ、横にいて一緒にやりたかったな。でも、その分、頑張るから。ノリ(KIDさん)に怒られないように、2倍頑張って観客を沸かせるから。その観客の声、届けるから聞いててね」と声を振り絞って、師匠でもあるおじに最後のメッセージを送った。