総合格闘技のＲＩＺＩＮは５日、都内で会見を開き、１２月３１日のさいたまスーパーアリーナ大会にボクシングの元世界５階級制覇王者フロイド・メイウェザー・ジュニア（４１）＝米国＝が参戦し、キックボクシングのＲＩＳＥ世界フェザー級王者・那須川天心（２０）＝ＴＡＲＧＥＴ＝と対戦すると発表した。ボクシングで５０戦全勝のスーパースターと、日本格闘技界が誇る“神童”の異種格闘技戦が実現。試合形式はボクシングルールではなく、立ち技ルールの方向で今後調整していくという。

　“世界で最も稼ぐアスリート”メイウェザーが日本を戦いの地に選んだ。相手は今をときめく那須川天心。ボクシングで５０戦全勝の５階級制覇王者とキックと総合格闘技で３２戦全勝の神童の想像を絶する戦いが実現する。

　会見には、注目度の高さを物語るように１００人以上の報道陣が集結。プロで初めて米国以外で戦うことを決めたメイウェザーは「ＲＩＺＩＮ参戦がかなうのは自分にとっても喜びだ。まずは大みそかの対戦を楽しみにしてほしい。ＲＩＺＩＮとの関係性はここがスタート。簡単な経緯ではなかったが、実現することに高揚感を持ってここに座っている」と心境を語った。

　ＲＩＺＩＮの榊原信行実行委員長は「いろんな紆余曲折がありました。まずメイウェザーサイドと参戦することで交渉が始まった。一度海外で試合をしてみたい、それをぜひ日本でということで。最初に思ったのが那須川天心。この男しかいないと思った。それで那須川サイドに提案をして応えてくれたのが経緯」と説明。注目されるのが、その報酬だ。

　メイウェザーは１試合で１００億円以上稼いできたが、榊原実行委員長は以前に総合格闘技イベント「ＰＲＩＤＥ」を手がけており、「ＰＲＩＤＥを（米国の総合格闘技）ＵＦＣに売った時のお金が残っていたので、メイウェザーを買った」とニヤリ。「１００万円で試合をする人が１万円ではしない。長くプロモーターをやっているが過去最高の金額を支払う」と話した。具体的な金額は明かさなかったが、発言から１０億円以上になるのは間違いないと推測される。

　もう一つ気になるのがルール。榊原実行委員長はパンチと蹴り中心の立ち技ルールになることが「間違いない」と断言したが、今後の調整で「１ラウンドに５回蹴らせろとか、３回ならいいとか、どこが落としどころになるか分からない」と、今後の調整で紛糾する可能性もあるとした。

　また、体重面でも約７０キロのメイウェザーと約５８キロの那須川では１０キロ以上の差がある。榊原実行委員長は最終的に５キロ差にしたい意向を示しながら、「日本は無差別級がある国」とし、「猪木－アリ戦、高田－ヒクソン戦に引けを取らない平成最後の異種格闘技戦になる。果たし合いにしたい」とも話した。

　メイウェザーは那須川を「若い、強い、速い選手。信じられない能力を持っている」と評価し、「エンターテインメント性に富んだ試合を魅せることを考えている。非常に早い展開で、しっかりとスキルが魅せられればいい」と意気込みを示した。両者はどの形で戦い、どんな結末を迎えるのか。大みそかまで目が離せない。