“問題児”ネリが7回TKO勝ち 28連勝、世界ランクも4位まで上昇

 「ボクシング・10回戦」(1日、サルティーヨ)

 前WBC世界バンタム級王者のルイス・ネリ(23)=メキシコ=が1日(日本時間2日)、体重超過での王座はく奪処分から復帰2戦目となるスーパーバンタム級10回戦をメキシコ・サルティーヨのアレナ・パビリオン・デル・ノルテで行い、レンソン・ロブレス(29)=ベネズエラ=に7回1分16秒TKO勝ち。デビューからの連勝を28に伸ばした。

 ネリは昨年8月に島津アリーナ京都で13度目の防衛を目指した山中慎介(帝拳)に挑み、4回TKO勝ちで王座を奪取。しかし試合後、禁止薬物ジルパテロールの陽性反応が発覚したため騒動に。結局、意図的な摂取の根拠がないとして王座はく奪を免れ、3月に両国国技館で山中との再戦を行うことになった。

 その計量で再び騒動を起こす。バンタム級の上限を1回目に2・3キロと大幅にオーバー。再計量でも1・3キロ超過し、王座をはく奪された。しかし強行された試合では、山中を圧倒。計4度のダウンを奪って2回TKO勝ちし、山中は現役引退となった。

 悪質な体重超過を重く見た日本ボクシングコミッションは、ネリに活動停止処分を科し、事実上の永久追放とした。ただ、この処分は国外で適用するものではなく、ネリはバンタム級での復帰を希望。10月に地元ティファナでの復帰戦で認められ、これを3回TKOで圧勝すると、WBCランキングも4位まで復帰。近い将来の世界王座返り咲きを狙う位置に戻ってきた。

 WBCバンタム級はネリのはく奪以降、9カ月以上空位が続いている。交渉が難航していた1位ノルディ・ウーバーリ(フランス)と3位ラウシー・ウォーレン(米国)での王座決定戦は22日に米国ニューヨークでようやく実現する見込み。王座決定戦の開催が不透明だったため、30日には大田区総合体育館で5位の井上拓真(大橋)と2位ペッチ・CP・フレッシュマート(タイ)が争う暫定王座決定戦も開催される。

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