全日本でもキッドさん追悼セレモニー 渕正信「気持ちのいいレスラーだった」

 「プロレス・全日本」(11日、後楽園ホール)

 大会開始前に5日に60歳で死去した英国出身のプロレスラー、ダイナマイト・キッドさん(本名トーマス・ビリントン)の追悼セレモニーが行われた。

 84年に新日本から全日本に移籍したキッドさんとジュニアヘビー級戦線で対戦した渕正信がリング上で遺影を持ち、キッドさんが生前に着用したコスチュームも掲げられる中、出場全選手が10カウントゴングとともに黙とうをささげた。

 渕は「若かったんだね、60(歳)だよね。感慨深いものがあるけども、試合やってて本当に気持ちのいいレスラーだった。バンバン来て、スタミナもあったし瞬発力もあったし、テクニックもランカシャースタイル、基礎のしっかりとしたレスリングをやっていた。あの頃が懐かしいね」としみじみコメント。「日本人が好きだったんじゃなかったかな。日本スタイルも謙虚に研究していたし。全日本はみんな体が大きいと言うことで、無理して体を大きくしてリングに上がって、ヘビー級でも花を咲かせようとする向上心が分かったよね」と人柄を振り返った。

 今年は鬼籍に入るプロレス関係者が相次ぎ、渕もブルーノ・サンマルチノさん、輪島大士さん、ディック・スレーターさんらの追悼セレモニーで遺影を持った。「何かの節目の年なのかな。そういった人がいなくなるって言うのは…。もう二度と会えないんだもんね。いつでも会えると思いながら永久に別れてしまうのは、後からもうちょっと会えばよかったという後悔はあるわな。もうちょっといろんな話も聞きたかったし」と多くの人との別れを惜しんだ。

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