「ボクシング」（１３日、後楽園ホール）

　３０日に５度目の防衛戦を行うＷＢＣ世界ライトフライ級王者の拳四朗（２６）＝ＢＭＢ＝と、３１日に２階級制覇をかけてＷＢＡ世界ライトフライ級王座に挑戦する前ＩＢＦ世界ミニマム級王者の京口紘人（２５）＝ワタナベ＝が興行中に公開スパーリングを行った。緊張感あふれる攻防を繰り広げた２人は次戦の勝利を誓い、王座統一戦の実現を約束し合った。

　拳四朗と京口は世界王座を獲得する前の昨年４月にも公開スパーリングを行ったが、今回はともに世界戦を控える身。豪華で異例の顔合わせは本番さながらの見応えあふれるものとなった。拳四朗が足を使って手数を繰り出せば、京口は懐に飛び込んで強打を放つ展開。１回に京口の左ボディーがかすったときに拳四朗がバランスを崩す場面もあるなど、スリリングでハイレベルな攻防に観衆はやんやの歓声を送った。

　２人はリング上で笑顔を浮かべて握手を交わすと、京口は「去年より引き出しとかジャブの精度も上がって力強くて、５度目の防衛戦はしっかりクリアすると思う」と拳四朗にエール。拳四朗は「こういう緊張感のある中でのスパーリングはなかなかない。刺激にもなるし、強い相手とのスパーリングは楽しいし、次、頑張ろうと思える。調子は上がってきているので、後半に手数を増やせるように練習して、足を止めずに距離感を保てれば間違いなくＫＯできる」と、勝利宣言で応えた。

　２人はアマチュア時代に４度対戦して拳四朗の３勝１敗と、ライバルと言える関係。プロでは拳四朗がライトフライ級、京口がミニマム級だったため対戦はなかったが、京口が拳四朗と同じ階級に上げたことで、対戦が現実味を帯びてきた。

　京口は「自分は２階級制覇して、来年ビッグマッチでやりたい。ライトフライ級の世界王者で拳四朗選手が一番思っているので、お互いがチャンピオン同士、最高の舞台でやれたら」と拳四朗との王座統一戦を熱望。拳四朗も「もちろん、年末は２人で勝って、来年できれば。ここに来ている方はもちろん来てくれるんですよね？やります」と約束。夢の対決実現の可能性が大いに高まった。