元WWWFヘビー級王者ペドロ・モラレス氏が死去 76歳 馬場に32文伝授
元WWWF(現WWE)ヘビー級王者で、故ジャイアント馬場さんに32文ロケット砲を伝授したことでも知られる“ラテンの魔豹”ペドロ・モラレス氏が12日、死去した。76歳。WWE公式サイトが伝えた。パーキンソン病を患っていたという。
モラレス氏はプエルトリコ出身。ニューヨークに渡り、1959年に17歳でデビューした。この頃に馬場さんと知り合い、馬場さんは自伝でスペイン語圏から来たモラレス少年に「ロンリー」という英語を教えたことをつづっている。
60年代にはロサンゼルスが本拠地のWWAを主戦場に“白覆面の魔王”ザ・デストロイヤーらと死闘を展開し、WWA世界ヘビー級王座も獲得。ペッパー・ゴメスとのタッグチームでも知られた。この時期、ジムで馬場さんにドロップキックのコツを伝授し、必殺技の「32文ロケット砲」誕生に大きく貢献している。
70年、ニューヨークに復帰すると殿堂マジソン・スクエア・ガーデン(MSG)でイワン・コロフを破ってWWWFヘビー級王座を獲得。同地に多いラテン系のファンから熱狂的に支持され、“人間発電所”ブルーノ・サンマルチノに代わってMSGの帝王として君臨した。72年、シェイ・スタジアムでのサンマルチノ戦は2万2000人の大観衆を集め、1時間15分に渡る熱闘の末に条例で引き分け。1027日間の長期政権を築いたが73年12月、スタン・スタージャックに敗れて王座を明け渡した。95年にWWE殿堂入りを果たしている。
日本では日本プロレス、全日本プロレス、新日本プロレスに来日し、馬場さん、アントニオ猪木、坂口征二のライバルとして外国人トップを張った。全日本では馬場さんのPWFヘビー級王座に挑戦。新日本ではワールド・リーグ戦の決勝で坂口と対戦し、猪木のNWFヘビー級王座に挑戦している。