ボクシングの川崎新田ジムは１８日、都内で会見を開き、所属選手のＩＢＦ世界フライ級４位の黒田雅之（３２）が５月１３日に東京・後楽園ホールで同級王者モルティ・ムザラネ（３６）＝南アフリカ＝に挑戦すると発表した。戦績は黒田が３０勝（１６ＫＯ）７敗３分、ムザラネは３７勝（２５ＫＯ）２敗。

　指名挑戦者の黒田は１３年２月にＷＢＡ世界フライ級王者ファン・カルロス・レベコ（アルゼンチン）に挑戦して判定で敗れて以来２度目の世界戦。「自分の中ではどん底を見た。なんとか６年かけてここまで戻ってきました。今回は戻ってくるだけじゃなく、その上を見ていこうと思います」と、はい上がってつかんだチャンスに闘志を燃やした。

　王者のムザラネは１８年１２月に中国マカオで坂本真宏（六島）を退けて初防衛に成功し、今回が２度目の防衛戦。黒田は王者について「優しそうな目をしている。ボクシング的にはどっしり構えてガードが堅い印象」と話しながらも、「ただ、パンチが当たらないかと言われたら、そんなことない。お互いかみ合う試合になると思う」と戦いをイメージした。

　現時点ではこの試合が新元号で初の世界戦。黒田が勝てば新元号で初の新世界王者となり、「ボクは昭和生まれで、昭和生まれの人間が新元号初の世界チャンピオンになりたい、そう思ってやります。そうなるためにしっかり準備していますし、やったら絶対自分が勝つものと思っています」と強い意欲を示した。

　また、黒田は剣道２段でもあり、この日、所属ジムの新田渉世会長から、元ＷＢＣ世界スーパーフライ級王者・川嶋勝重氏のニックネーム“ラストサムライ”を襲名する許可を得て、川嶋氏から「技術で負けることはあっても、気持ちで負けないファイトを期待しています」とのメッセージをもらったことが報告された。現在日本にいる７人の世界王者すべて平成生まれ。昭和のラストサムライが新元号のファーストチャンピオンになる。