谷口将隆、王座奪取ならず 判定完敗「まだ世界に行く人間でない」
「ボクシング・WBO世界ミニマム級タイトルマッチ」(26日、後楽園ホール)
挑戦者で同級2位の谷口将隆(25)=ワタナベ=が、王者のビック・サルダール(28)=フィリピン=に0-3の判定で敗れた。谷口は中盤に左ボディーでペースをつかみかけたが崩しきれず、世界初挑戦での王座奪取はならなかった。サルダールは初防衛に成功。
遠回りした男の世界への道は遠かった。「人生を変えたい」との思いで世界に初挑戦した谷口。中間距離で消耗させる作戦だったが、サルダールの長いパンチに苦戦。6回から意を決して接近戦を挑み流れを引き寄せたが、山中竜也(引退)から王座を奪取し、3階級制覇王者の田中恒成(畑中)をダウンさせた実力者のうまさに逃げ切られた。
試合後は「はぐらかされました。いま一歩踏み込めなくて、合わされた」と肩を落とした谷口。アマチュア時代のライバルでWBA世界ライトフライ級スーパー王者の京口紘人とワタナベジムに同期入門するも、2階級制覇した京口に対し、自身は日本と東洋太平洋の王座戦で敗れる挫折を経験した。
控室では京口から「今日は差があったけど、何年後になってもいいから、世界のベルトを巻いてくれ」と励まされた。またも挫折を味わった男は「まだ世界に行く人間でないのが分かった。もっと土台を作ってやっていきたい」と決意。ライバルに追いつくまで歩みは止めない。