尚弥&拓真のいとこ・浩樹“井上一族”3人目の戴冠「不安だった。夢みたい」
「ボクシング・日本スーパーライト級タイトルマッチ」(6日、後楽園ホール)
同級1位の挑戦者・井上浩樹(26)=大橋=が王者の細川バレンタイン(37)=角海老宝石=を3-0の判定で破って王座を奪取。浩樹はWBA世界バンタム級王者の井上尚弥と、その弟でWBC世界同級暫定王者の拓真のいとこで、“井上一族”3人目の王者となった。
身長で15センチも上回るサウスポーの浩樹は拳を痛めて1カ月ほどスパーリングができなかった影響もあってか、プレッシャーをかけながら鋭く踏み込む細川のボディー打ちなどに苦戦。だが、中盤からは足を使って井上兄弟を思わせる鋭く多彩なパンチを次々と突き刺して優位に立ち、決定的な場面はなかったものの最大6点差をつけて押し切った。
浩樹は勝利を聞いた直後に号泣。リング上でのインタビューで「尚弥と拓真が当たり前のように世界チャンピオンになって、とりあえず日本チャンピオンになりますと言ったんですけど、本当になれるか不安な部分があった。今日こうしてなれたことが夢みたいで、うれしいです」と喜んだ。
さらに、リングに上がった尚弥と拓真もマイクを向けられ、尚弥は「まだまだ、これ一つというところでいけてないと思うので、そこを一緒に練習していきたいと思います」と辛口で祝福。拓真は「早く3人で世界チャンピオンになれるように、今後も3人で切磋琢磨していきましょう」と呼びかけた。
控室では「ちょっと安全運転しすぎました。慎重になりすぎた。相手のプレッシャーに飲まれている部分はあった」と試合を振り返った浩樹。所属ジムの大橋秀行会長は浩樹の今後について、「まだ考えられない」とだけ話した。