那須川天心“敵前逃亡者の代役”に2回KOで3冠!「そろそろ世界に飛び立ちたい」

ISKA世界フェザー級王座を奪取し雄たけびを上げる那須川天心=神戸ワールド記念ホール(撮影・佐藤厚)
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 「RIZIN.16」(2日、神戸ワールド記念ホール)

 “キックボクシング界の神童”那須川天心(20)=TARGET=が、ISKA(国際競技空手協会)世界フェザー級タイトルマッチ(ISKAユニファイドルール3分5回)で、ISKAフリースタイル世界バンタム級王者マーティン・ブランコ(30)=アルゼンチン=に2回2分19秒KOで勝利。保持するキックボクシングRISE世界フェザー級王座、ISKAオリエンタル世界バンタム級王座と合わせて3冠王者となった。

 那須川は当初、ISKAフリースタイル世界フェザー級王者アメッド・フェラージ(フランス)に挑戦する予定だったが、フェラージが正当な理由なしに対戦を拒否した“敵前逃亡”により、5月27日に相手がブランコに変更。だが、神童はそんなアクシデントも問題にしなかった。

 初回は那須川が左ストレート、左ハイキックなどを繰り出すも、距離の探り合いで終わる。2回に入ると那須川が攻撃開始。左のオーバーハンドブローで相手の右目上を切り裂くと、左フックから左のヒザをボディーにたたき込んで最初のダウンを奪う。さらに、跳び蹴りを放つ余裕を見せながら、ワンツーで2度目のダウンを奪い、立ち上がった相手にすかさず連打を浴びせて3度目のダウンを奪い勝負を決めた。

 3本目の世界のベルトを奪取したが、試合後は「うれしいですけど、こんなもんじゃ満足できないので、次に向かいたいと思います」と平然と話した那須川。「今、格闘技はめちゃめちゃ盛り上がってると思うんですけど、どんどん盛り上げて、日本にとどまりたくないのが正直あるので、そろそろ世界に飛び立って試合をしたいと思います」とさらなる高みを目指した。

 今や日本格闘技界の顔と言える存在。メディアの露出も急増し、「試合を見ていなくても、テレビで見ましたと言われる」と、声をかけられることも多くなり、電車などにも乗りにくくなったという。

 2週間前にインターネットテレビAbemaTVの番組「那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円」で2人の挑戦者を退けたばかりで、今月22日にはAbemaTVの番組で元ボクシング世界3階級制覇王者の亀田興毅氏とボクシングルールで対戦。7月21日にはRISEのエディオンアリーナ大阪大会で-58キロ級世界トーナメント準決勝のルンピニースタジアム認定スーパーフェザー級王者スアキム・PKセンチャイムエタイジム(タイ)戦が待つ。

 さらに、試合の間にもテレビ出演などの予定が集中し、「ケガもできない」という多忙な日々だが、「今しかやれないこと。賛否両論があっても話題が作れればいい」と歓迎。日本格闘技界を明るく照らすスーパースターは輝きを増し続ける。

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