全日本プロレスは４日、所属選手で世界ジュニアヘビー級王者の青木篤志さんが死去したと発表した。４１歳だった。葬儀、告別式は未定。青木さんは３日に都内の首都高速トンネル内をバイクで走行中に事故を起こしたとみられている。全日本社長の秋山準（４９）はこの日、横浜市内の事務所で会見し、「意志を受け継いでやっていかないといけない」と涙をこらえながら誓った。

　あまりにも突然な死に老舗団体は悲しみに包まれた。青木さんは５月２０日に４度目の世界ジュニアヘビー級王座奪取を果たしたばかり。自衛隊時代に全国大会を制したレスリングの技術とセンスには定評があり、道場長として若手選手のコーチも務めていた。

　沈痛な面持ちで会見に現れた秋山は「青木篤志が昨日夜、交通事故のため永眠しました」と、涙をこらえながら元付き人でもある弟子の死を発表。その姿に事務所スタッフ、若手選手らは次々とすすり泣く声をもらした。

　青木さんは３日夜、東京・千代田区の首都高速道路トンネル内で倒れているのを発見され、搬送先の病院で死去。トンネルの壁に衝突跡があり、何らかの原因でカーブを曲がりきれずに事故を起こしたとみられている。バイクで仕事へ向かう途中だったという。

　４日０時過ぎに連絡を受けて一番に病院に駆けつけた秋山は「本当に受け入れられないと言うか…」と絶句。詳しい状況は聞いているものの、動揺が大きい遺族の意向もあって公表を控え、お別れの会なども遺族と相談して決めるという。

　１３年にノアから全日本へ移籍し、同年の団体分裂、１５年の選手大量離脱の際には残留と、秋山と行動をともにして全日本を支え続けた青木さん。そんな大きな存在を秋山は「ピンチの時は本当に、ぱっと現れて助けてくれた。２人で話すことも多かったし、前の団体を出るときも、全日本に来るときも一緒で残ってくれたのもアイツだった。またベルトを巻いて盛り上げてくれると思ったんですけどね」と振り返った。

　供養は全日本を大きくすること。秋山は「アイツもそう思ってくれてやっていた。意志を受け継いでやっていかないといけない」と前を向いた。