元世界4階級王者パーネル・ウィテカー氏、車にはねられ死亡 55歳、ロス五輪金

 ロサンゼルス五輪ボクシングライト級金メダリストでプロボクシング元世界4階級制覇王者のパーネル・ウィテカー氏が14日(日本時間15日)、死去したことが明らかになった。USAトゥデイなど複数米メディアが報じ、WBC(世界ボクシング評議会)も公式ツイッターで追悼した。享年55。

 米国バージニア州バージニアビーチ警察の発表によると、14日午後10時頃に交差点で乗用車が歩行者男性に衝突し、その場で死亡したことを確認。警察は後にその男性がウィテカー氏であると認識した。運転手は現場に残っており、事故原因を調査中だという。

 バージニア州ノーフォーク出身のウィテカー氏は84年ロサンゼルス五輪に米国代表として出場し、ライト級で金メダルを獲得。同年、プロに転向し、89年に2度目の世界挑戦でグレグ・ホーゲン(米国)に判定勝ちしてIBF世界ライト級王座を獲得した。その後、ライト級でWBA、WBCの主要3団体を統一。そしてIBF世界ジュニアウエルター級、WBC世界ウエルター級、WBA世界ジュニアミドル級と4階級を制覇した。

 93年9月にはサンアントニオのアラモドームでキャリアハイライトともいえる帝王フリオ・セサール・チャベス(メキシコ)との頂上決戦に臨んだ。抜群の防御技術でチャベスの強打を完璧に封じ、判定こそ1-0の引き分けと納得のいかないものだったが、WBC世界ウエルター級王座の防衛に成功。90年代のパウンド・フォー・パウンド・ランキングで長らくトップに君臨した。

 極端に斜めに構えたサウスポースタイルから人間離れした反射神経とボディーワークで触らせない超人的なディフェンステクニックを見せつけた。スタイルが守備的過ぎるという批判も受けたが、際どくパンチをかわして放つカウンターで、鮮やかなワンパンチKOもたびたび披露しており、まさに玄人好みのデフェンスマスターだった。

 ニックネームは“スイートピー”。生涯戦績は46戦40勝(17KO)4敗1分け1NC。

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