問題児ネリ30連勝 前日は体重超過ミスも試合ではパヤノを圧倒9回KO
「ボクシング・WBCシルバー・バンタム級タイトルマッチ」(20日、ラスベガス)
プレミア・ボクシング・チャンピオンシップが20日(日本時間21日)、米国ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで開催され、前WBC世界バンタム級王者で現在同級シルバー王者のルイス・ネリ(24)=メキシコ=が9回1分43秒KOで、同級6位フアンカルロス・パヤノ(35)=ドミニカ共和国=を沈め、30連勝を飾った。
山中慎介(帝拳)との2連戦におけるドーピング騒動、体重超過での計量失格など数々のトラブルで日本でもよく知られるネリ。体重超過による王座はく奪処分から復帰4戦目は、元WBA世界同級スーパー王者のパヤノとの対戦となった。パヤノは昨年10月、WBSS1回戦で井上尚弥(大橋)に初回70秒KO負けしてから再起2戦目となる。
前日の公式計量でネリは1回目でバンタム級上限を0・5ポンド(約226グラム)オーバー。再計量でリミットの118ポンド(53・5キロ)でクリアしたものの、またもや周囲を慌てさせた。
サウスポー同士の対戦では、初回にパヤノがカウンターを当てたが、3回以降、ネリがパワフルな連打で攻め込む場面が増える。9回にロープ際に追い込んでからの左ボディーでダウンを奪うと、パヤノはしばらく立ち上がることができなかった。
山中戦での悪質な体重超過を重く見た日本ボクシングコミッションは、ネリに活動停止処分を科し、事実上の永久追放とした。ただ、この処分は国外で適用するものではなく、ネリは昨年10月に地元ティファナで復帰。復帰4戦全勝でWBCランキングは指名挑戦権を得られる1位に上昇している。現在、WBCバンタム級はダイヤモンド王者にノニト・ドネア(フィリピン)、正規王者にノルディ・ウーバーリ(フランス)、暫定王者に井上拓真(大橋)と3人のタイトルホルダーが存在する。
ネリは30戦30勝(24KO)。パヤノは23戦21勝(9KO)3敗。