「ボクシング・ＷＢＳＳ決勝、ＷＢＡ・ＩＢＦ世界バンタム級タイトルマッチ」（１１月７日、さいたまスーパーアリーナ）

　井上尚弥（２６）＝大橋＝と対戦する世界５階級王者、ＷＢＡスーパー王者のノニト・ドネア（３６）＝フィリピン＝が２６日、都内での会見に井上尚らと出席し、試合への思いを語った。

　ドネアはアジアを代表するボクサーの一人で、フライ級からスーパーフライ、バンタム、スーパーバンタム、フェザーと５階級で世界王座を獲得している。現在はフェザーから２階級したのバンタムで戦っている。戦績は４５戦４０勝２６ＫＯ５敗。ニックネームは「ザ・フィリピーノ・フラッシュ（フィリピンの閃光）」。

　ドネアにとっては敵地での試合となるが、「日本で試合をするということを大変喜ばしく思っております」と挨拶した。「何度も日本には来ているんですが、今、私がノニト・ドネアであるということには、日本の侍精神や武士道、そういったことがすごく影響しています。そういった文化を私の中に培ってくれた日本、この国で自分自身が井上尚弥選手という素晴らしい日本人のボクサーと対戦できることをうれしいと同時に信じられないぐらい興奮しております」と語った。

　３６歳という年齢を懸念する声を意識し、「年齢もあり、私の力を疑う声もありましたけど、今、その疑いの声が間違いであることも私が見せられたらと思っております」と宣言。「この階級の最強の一人であると同時に、自分の中では、驚くべき、恐るべき存在だと思っています」と評する尚弥との決戦を「その事実（試合をすること）そのものが自分自身のモチベーションになっています」と前向きにとらえている。

　対する尚弥は「トーナメントが始まった当初、自分が一番対戦したかった選手であるノニト・ドネア選手と決勝で戦えることを本当にうれしく思います。１１月７日は自分が持っている全てのパフォーマンスを出し切り、アリトロフィー（優勝トロフィー）を無事にゲットしたいと思います」と相手に敬意を表しつつ、必勝を誓った。

　また１１月７日の同興行では、井上尚の弟でＷＢＣ世界バンタム級暫定王者・井上拓真（２３）＝大橋＝と、同正規王者のノルディ・ウーバーリ（３３）＝フランス＝との「ＷＢＣ世界バンタム級王者統一戦」も行われる。井上兄弟にとっては、初の兄弟ダブル世界戦となる。