京太郎 1年1カ月ぶりでKO星 キックとの“二刀流”興味もヘビー級世界戦あきらめん
「ボクシング・8回戦」(21日、後楽園ホール)
WBA世界ヘビー級12位でWBOアジアパシフィック・ヘビー級王者の藤本京太郎(33)=角海老宝石=が1年1カ月ぶりの試合となるノンタイトル戦でOPBF東洋太平洋同級13位スタット・カラレック(24)=タイ=に6回KO勝ちした。
京太郎は前戦で6回TKO勝ちしている相手との再戦。足を使いながらの左ジャブを中心に攻め込み、相手が時折繰り出す大振りの強打をもらう場面も見られたが優位に試合を進めた。
迎えた6回、開始直後に相手は棄権を訴えるような表情を見せ、さらには自らしゃがみ込んでアピールしたが、レフェリーがダウンカウントを開始。すると相手はなぜか起き上がって反撃を開始。この奇抜な行動にも京太郎は冷静に対処し、連打からの右の打ち下ろしでダウンを奪う。
相手は再び立ち上がり、今度は大振りの連打を繰り出しながらの猛突進を見せて再び周囲を驚かせたが、京太郎はこれにも動じず、右のボディーを突き刺してトドメ。試合後は「いろいろ悩むこともあって、1年ブランクがあったんですが、みなさんの前に戻ることができて幸せです。もう少し夢を見たいので、僕のボクシング人生にお付き合い下さい」とファンにあいさつした。
長くリングに立てず、「クソ底辺」と言うほどのモチベーション低下に陥っていた京太郎。日本ボクシング界の悲願でもあるヘビー級の世界王座挑戦を目指して世界を主戦場にするため、7月に保持していたOPBF東洋太平洋同級王座と日本同級王座を返上したが、「ボク1人ではどうにもならない」というマッチメークが難しい階級でチャンスはなかなか訪れなかった。
また、今年に入ってボクシング界が格闘技との両立を認める動きが出はじめており、キックボクシング出身の京太郎は「ボクは両方やって来たので、その架け橋になれたら。一緒にやった方が盛り上がると思う」と“二刀流”への興味も明言。「夢として第一にボクシングの世界戦をしたいのは今もある。両方でうまくやって行ければ」と強調した。