王者バルガスら禁止薬物陽性反応も処分なし WBC、メキシコの食肉が原因と判断
WBC(世界ボクシング評議会、本部=メキシコ市)は5日(日本時間6日)、WBC世界スーパーバンタム級王者レイ・バルガス(28)=メキシコ=および同フライ級1位フリオ・セサール・マルティネス(24)=メキシコ=が禁止薬物クレンブテロールの陽性反応を示したが、意図的なものではなく処分を科さないと発表した。
両選手はWBCが推奨しているVADAの検査を受診。ごく微量のクレンブテロールの陽性反応を示したが、意図的な摂取ではなく、メキシコで流通する食肉が原因と判断した。
過去にもサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)やフランシスコ・バルガス(メキシコ)らメキシコ出身の世界王者が同様の陽性反応を示しているが、食肉汚染を理由に、おとがめなしに終わっている。クレンブテロールは筋肉増強剤としての効果が見込まれる薬物で、食肉の肥育目的で使用されることがある。
山中慎介氏との2連戦で日本でも有名な元WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(メキシコ)は、17年8月の山中氏との初戦後にドーピング騒動が持ち上がった。ネリは禁止薬物ジルパテロールの陽性反応を示したが、これも食肉摂取によるものだと主張して王座はく奪を免れている。
レイ・バルガスは7月に米国カーソンで暫定王者の亀田和毅(協栄)と王座統一戦を行い、3-0の判定で勝利。5度目の防衛に成功するとともに王座を統一した。