井上VSドネアの激闘 米老舗ボクシング誌トップニュースで報じる「壮大な戦い」
階級最強決定トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」のバンタム級決勝(7日・さいたまスーパーアリーナ)は、WBA・IBF世界同級王者・井上尚弥(26)=大橋=がWBA世界同級スーパー王者のノニト・ドネア(36)=フィリピン=との激闘の末、3-0(116-111、117-109、114-113)判定で優勝を果たした。
1922年に創刊され、ボクシング界で最も権威があるとされている米専門誌「リング」(電子版)は同日、「ナオヤ・イノウエがノニト・ドネアとの壮大な戦いを全員一致の判定勝ちで制した」との見出しでトップニュースとして報じた。
右のまぶたを大きくカットし、顔面右側を赤く染めた井上の左パンチがドネアの顔面を捉える写真とともに掲載された長文はラウンドごとに詳報。「8回はいつまでも記憶に残るものとなった。その攻防は2人が優れたファイターではなく、偉大なファイターであることを明確にした」、「イノウエは11回に凄まじい左ボディーフックでドネアをひざまずかせたが、“フィリピーノ・フラッシュ”は試合を通してずっとそうであったようにそこでも反撃に転じた。ドネアは若き戦士(井上)にとても厳しい試練を与えた」、「彼(井上)は時に美しいボクシングを披露し、中盤には非常にエネルギッシュなアプローチを見せた」、などと伝えた。
井上は同トーナメント1回戦でパヤノ(ドミニカ共和国)を開始わずか70秒で沈め、準決勝ではロドリゲス(プエルトリコ)を2回1分19秒で撃破した。同サイトは、井上の決勝戦までの道のりを紹介しながら「26歳の井上はボクシング界最強の破壊者としてこの日を迎えた」とも伝えた。
また、井上の強烈な左ボディーを受けてドネアがダウンを喫した場面を「何人かの記者は英語で『終わった』と叫び始めた。しかし、ドネアはカウント9で立ち上がり、反撃。井上は終わらせようとし、被弾したチャンピンは突如として強烈な左で若者に応戦した。その攻防は素晴らしかった」と描写。キャリア初のカットを経験し、苦戦を強いられながらも力強いパンチを繰り出した井上だけでなく、最後まで勝利への執念を見せた36歳のドネアへも称賛の言葉も惜しまなかった。