悪童ネリ 井上尚弥戦実現の可能性遠ざかる トラブルメーカー繰り返される失態
「ボクシング・WBCシルバー・バンタム級タイトルマッチ」(23日、ラスベガス)
前WBC世界バンタム級王者で現在シルバー王者のルイス・ネリ(24)=メキシコ=が22日(日本時間23日)が公式計量でバンタム級上限を1ポンド(約453グラム)オーバーして失格となった。対戦相手の元IBF世界同級王者で同級3位エマヌエル・ロドリゲス(27)=プエルトリコ=は118ポンド(約53・5キロ)で一発クリアした。ネリは2時間の猶予を与えられたが、ギブアップした。米ESPNなどによると、ネリ陣営は違約金を払うことで試合を強行しようとしたが、ロドリゲス陣営が受け入れず、試合はキャンセルとなった。
ネリは王者として臨んだ昨年3月の山中慎介(帝拳)との再戦でも体重超過し、王座をはく奪された。しかし強行された試合では、山中を圧倒。計4度のダウンを奪って2回TKO勝ちし、山中は現役引退となった。WBCから6カ月の資格停止という甘い処分を科されたが、これが明けると昨年10月に地元ティファナで復帰。復帰後は4連続KO勝ちで30戦全勝(24KO)とし、WBCランキングは1位に上昇していた。
最近ではWBSSを制し、バンタム級の頂点に君臨するWBAスーパー・IBF世界同級王者の井上尚弥(大橋)の名前を出して、対戦を熱望。くしくもここ2戦は井上がWBSSで撃破してきたフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)、ロドリゲスとの対戦が組まれてきた。
今回の試合前も「(ロドリゲスは)イノウエを恐れていた。試合はすぐにKOで終わる」などと豪語。しかし繰り返される失態で、戦う前にしてネリ自身が敗れたかたちとなった。
一方で井上は今後もバンタム級で戦うことを表明している。8日のWBSS一夜明け会見では「バンタム級で残っているのは、ウバーリ、テテぐらいですかね。そういった選手と試合をしたい」と発言。現実味がないとして、ネリの名前を出さなかった。今回の計量失格で対戦の可能性はさらに遠ざかったといえるだろう。