協栄ジム活動休止へ…金平会長「解雇」され決断 実質的オーナーと金銭トラブル
プロボクシングの協栄ジムが活動休止となることが7日までに分かった。電話取材に応じた金平桂一郎会長(54)は、同ジムの実質的オーナーとの「金銭トラブル」を理由とし「解雇と言われた」と説明。9日にもジム会長らで組織する東日本ボクシング協会に休会届を提出し、統括団体の日本ボクシングコミッション(JBC)に説明するという。一方、同ジムはホームページで活動休止を否定する声明を発表。ただ、JBCによると、休会届提出の権利は金平会長にある。
国内最多13人の世界王者を輩出した名門ジムに激震が起こった。金平会長は「解雇されたんだから行けないじゃないですか」と、現在はジムに出入りできない状態だと話す。
ジムには元世界2階級制覇の亀田和毅、和毅のいとこで22日の全日本新人王決定戦にフェザー級東軍代表で出場する亀田京之介ら18人のプロ選手が所属しており、休会となれば移籍しなければプロ活動ができなくなる。金平会長は休会手続きを急ぐ理由を「新人王が近いこと。もう一つは、スパーリングなどで何かあった場合、全部責任を取るのは会長なので」と説明した。
一方、協栄ジムはホームページで「当ジムが発表したものではなく、活動休止を予定している事実もございません。引き続き、会員の皆様に対してこれまで同様のサービスを提供してまいります」と否定の声明を発表。これに対し、金平会長は、クラブオーナーライセンスを有する者しかプロ選手所属ジムを持てないため「無理ですよ。誰を会長にするのか。存続するならフィットネスジムでしょうね」と反論した。
金平会長は9日に休会届を提出する意志を固めているが、実質的オーナー側から話し合いを持ちかけられれば応じる考えはあるという。日本ボクシング界に大きな足跡を記した名門が、60年の歴史にピリオドを打つのだろうか。