キック20年目、40歳の鉄人・喜入衆「1億円もらってもキック辞めない」
「キックボクシング・KNOCK OUT CHAMPIONSHIP.1」(2月11日、大田区総合体育館)
67・0キロ契約でJネットワークウエルター級王者・峯山竜哉(24=WSRフェアテックス西川口)と激突する大ベテランの喜入衆(40=NEXT LEVEL渋谷)が28日、意気込みを語った。
喜入は2001年にJネットでプロデビューし、今年でプロ20年目、戦績は実に69戦29勝(5KO)35敗5分。顔の傷は「だいたい50針前後ではないでしょうか」というから、まさに“男の顔は履歴書”だ。
昨年は2月に太聖を破ってルンピニージャパン同級王座の初防衛に成功したものの、その後は宍戸大樹、“ブラックパンサー”ベイノアらに屈して4連敗中。直近の試合である昨年12月1日には、UMAにTKO負けしてルンピニー王座から転落しており、今回は再起戦となる。
国内キックでは最大のイベントであるKNOCK OUTには今回が初参戦で「このチャンスを生かしなさいと神様が言っているものだと思って、初めてKNOCK OUTで勝つことが大事だと思っています」と、大舞台に腕をぶす。峯山が巻くJネットウエルター級のベルトには10年、当時の王者・笹谷淳に挑戦して判定負けしているだけに「現チャンピオンと対戦できるというのはモチベーションが上がる」と、燃料は十分だ。
今回がプロ70戦目。100戦到達は「多分無理でしょうね」と苦笑いし、「せいぜい80戦が限界ですが、そこまで体と心がもつかは分からない部分もあります」、「(引退は)今すぐとは言わなくてもあと数年後にはあるのかなとは思いますね」と言う一方で「戦うことが好きなんでしょうね。例えば、今1億円をもらってすぐにキックを辞めるかと聞かれたら、辞めないと思うんです。純粋に試合をすることが楽しい」と、いまだに闘争心は旺盛だ。
コンディショニングや試合運びでは、ベテランならではの強みものぞかせる。
「若い頃と比べてケガが治りにくかったり、慢性的なケガも少しずつあったりと気になる細かいところはあるのですが、まだ戦えないことはないので、そういうところをケアしながらやっています。体力に関しては、ちゃんと練習をやり込めば意外と大丈夫な面はありますね」
「試合中に効かされたり攻め込まれたり、試合前にケガしたりとどんな時でも慌てなく対処できるようになったのは、長くやっているからこそ。試合前にケガをしたとしても、慌ててもしょうがないですし、ここが痛いならここの練習ができるからこういった練習でスタミナをつけていこうといった臨機応変な対応もできるようになりました」
同時期にJネットで活躍した西山誠人、黒田アキヒロ、牧野智昭、木村天鮮、ファイヤー原田らは既にグローブを置いたが、「古いメンバーは俺しかいないからまだまだ頑張ろう」と、モチベーションに変えている。今年も「最低でも4試合やりたい。もしうまくいったら6試合」と、コンスタントに戦うことを宣言していた。