「プロレス・スターダム」（８日、後楽園ホール）

　ワールド・オブ・スターダム（ＷＯＳ）王者の岩谷麻優がノンタイトル戦ながら、所属団体マーベラスのエース彩羽匠に完敗を喫した。

　当初はディアナ所属のＳａｒｅｅｅが岩谷の王座に挑戦する予定だったが、急性腸炎および感冒による欠場のため前日に急きょ変更された一戦。スターダム出身の彩羽匠は、マーベラスを率いる女子プロレス界のカリスマ長与千種のまな弟子でもあり、長与の必殺技ランニングスリー（変型パワーボム）の伝承者だが、岩谷も今月に長与からランニングスリーの直接指導を受けた因縁がある。

　試合はパワーで勝る彩羽が多彩な蹴り、大きな弧を描いて脳天からマットに突き刺す原爆固めなどを繰り出して優位に試合を展開。岩谷もダイビングフットスタンプ、ムーンサルトプレスなどで反撃し、ランニングスリーを試みるも決めきれず、最後は逆にランニングスリーでたたきつけられて３カウントを聞いた。

　試合後、ダメージの大きい岩谷はリング上で横たわりながらマイクを持つと、「匠、今日、こんな形でシングルマッチをするとは思わなかったけど、本当に試合をしてくれてありがとう」と感謝。続けて、「今日は完敗しました。このまま負けっ放しでいることはいやなので、赤いベルト（ＷＯＳ王座）、挑戦してきてください」と呼びかけた。

　これには彩羽も「自分は長与さんにランニングスリーを教えてもらえるまで何年も下積みしました。麻優さんはたった一言で教えてもらいましたよね。ずるいよね。自分が意地でも（ランニングスリーで）上げさせません。赤いベルト挑戦させてください」と応えた。だが、そこに大江戸隊が乱入し、岩谷に集団暴行。メンバーの鹿島沙希が一騎打ちを要求した。

　バックステージでは、彩羽匠が「麻優さんは天才。１００年に１人の逸材かもしれない」などと岩谷を絶賛し、「挑戦するからには本気で獲りにいきますよ。スターダムも面白くなるんじゃないですか。ブシロードさんがついて、１団体だけトップにのし上がろうとしている。それを引きずり落ろす団体があっても面白くなるんじゃないですか」などと野望を語っていると、そこに長与が登場。「この団体はすごい。クオリティーが高い。だから横並びになりたい。１本よりも２つ、２つよりも３局あったらいいと思う」とスターダムと並び立つ意欲を示した。

　一方、岩谷がバックステージで話しているときには、ＴＣＳのジャングル叫女が登場。２３日・名古屋国際会議場イベントホール大会でＷＯＳ王座に挑戦することを要求した。