高山勝成がプロ復帰「やり残したことがある」定年間際も、東京五輪の夢破れて再び
プロボクシングの元世界4団体制覇王者で、アマに転向して東京五輪予選に挑戦した高山勝成(36)が10日、再びプロへ復帰することを発表した。元WBA世界スーパーウエルター級暫定王者・石田順裕氏が会長を務める大阪・寝屋川石田ジムに所属し、ライトフライ級で再び世界を目指す意向を示した。この日、同ジムで取材に応じた高山は「プロとしてやり残したことがある。ボクシングキャリアの最後を全うするために、石田会長に受け入れてもらった」と話した。
高山は17年にプロからアマへの転向を表明したが、前会長の山根明氏の下、日本ボクシング連盟からアマ申請が認められなかった。署名活動などの活動の末、18年に新体制となった同連盟にアマ登録され、五輪代表選考予選に参戦した。しかし、昨年の東海地区大会で敗れて東京五輪出場の可能性は消滅。試合後は「選手としては引き際。ここで一区切りする」と引退を表明していた。
高山は、プロ復帰について「年末年始に考え、2月1日からトレーニングを本格的に再開した」と説明。「年齢的な不安があれば復帰しない」とした上で、14歳から始めた競技を「あと2年ほどでやりきりたい」と青写真を描く。
在籍する名古屋産大では今春から4年に進級する。大阪を拠点に練習することになるが、卒業に必要な単位は取得しており、もう一つの夢である教員を目指して教育実習などを残すのみだという。
日本ボクシングコミッション(JBC)の国内プロボクサーの定年は原則37歳。元世界王者の高山は、5月12日に37歳になるまでに1試合を行う必要がある。指導する中出博啓トレーナーは「海外と日本の両方でマッチメークを考えたい」と急ぎ準備を整える。所属ジムの石田会長は「偉大な王者なので最後までやりきってほしい」とバックアップを約束した。