ボクシングの世界６階級制覇王者で、現在ＷＢＡ世界ウエルター級王者のマニー・パッキャオ（４１）＝フィリピン＝が、新型コロナウイルス陽性反応の出た政治家と接触したため、自宅隔離中であることが明らかになった。現地放送局ＡＢＳ－ＣＢＮなど海外メディアが２８日、報じた。パッキャオは自身で調達した検査キットを用いて検査し、陰性だったと答えている。

　現役世界王者であると同時に、フィリピンの上院議員でもあるパッキャオは、新型コロナウイルスの陽性反応が確認されたアキリーノ・ピメンテル上院議員と写真撮影を行うなど接触があった。そのため２３日の上院特別会議を最後に、自宅での隔離を要請された。

　電話取材に応じたパッキャオは、韓国の友人を通じて入手したスピード検査キットを用いて検査を受けた結果、陰性だったと答えている。ただ、使われたテストキットは韓国では使用されているが、フィリピンでは正式に保健省の承認を受けたものではないため、ウイルスの症状を感じた場合は、正式な手順を踏んで検査を受けるとしている。

　フィリピンの国民的英雄であるパッキャオは、上院議員として新型コロナウイルス感染防止に向けて動いていた。自身の財団を通じ、中国アリババグループ創業者の馬雲氏から５万７６００個の検査キットの提供を受けるなど、母国の感染拡大防止に努めている最中だった。

　フィリピンでも新型コロナウイルス感染者は急増しており、２８日時点で１０７５人となった。前日から２７２人増えており、感染拡大に警戒が強まっている。