元世界2階級王者・粟生隆寛が現役引退 インスタライブで号泣発表
ボクシング元世界2階級王者の粟生隆寛(36)=帝拳=が6日夜、自身のインスタグラムでライブ配信を行い、涙ながらに現役引退を発表した。
粟生は36歳の誕生日となるこの日、「重大発表」としてライブ配信を行った。「前回の試合から約2年ちょい。その間も会長とずっと話をして、試合をさせてくださいと話をしていたんですよ。年末、年明けも話をさせてもらって…」と切り出すと思いがあふれ、そこからは号泣。
「試合をさせてほしい何度もお願いをしたんですが、会長は『させられない』と。何に関しても協力するけど、試合に関しては協力はできないと、ずっと2年くらい続いて。『粟生はできない』と思わせてしまった自分が悪い。今日で36歳になりましたし、一区切りするいいタイミングかなと思ったので、会長に自分のSNSで発表していいですかと許可をいただいたので、お話させてもらっています」と引退を表明した。
「帝拳ジムじゃなかったら世界チャンピオンじゃなかったと思う。ボクシングを好きでいれるうちで辞められて良かった。選手のことを思って(現役続行を)止めてくれたジムには感謝しかない」と話した。そして「将来的にはジムをやれたらいいと思う」と今後についても触れた。
千葉・習志野高時代に史上初の高校6冠に輝いた粟生は帝拳ジムから03年6月にプロデビュー。09年3月に2度目の世界挑戦でオスカル・ラリオス(メキシコ)に判定勝ちしてWBC世界フェザー級王座を獲得した。初防衛に失敗したが、10年11月にビタリ・タイベルト(ドイツ)に判定勝ちしてWBC世界スーパーフェザー級王座を奪取。2階級制覇を達成した。この王座は3度防衛した。
15年5月にはラスベガスで3階級制覇をかけてレイムンド・ベルトラン(メキシコ)とWBO世界ライト級王座決定戦に臨んだが、体重超過の相手に2回TKOで敗れる。後日、ベルトランには禁止薬物使用も判明し、試合結果はノーコンテストに変更されるが、これが最後の世界戦となった。
18年3月にWBC世界スーパーフェザー級王座を奪われたガマリエル・ディアス(メキシコ)とのノンタイトル戦で、判定勝ちで雪辱を果たしたのがラストファイトとなった。通算戦績は33戦28勝(12KO)3敗1分け1NC。