村田諒太、五輪代表に熱血オンライン金言「メダル目指せ」「泥臭くても勝て」
12年ロンドン五輪ボクシング男子ミドル級金メダリストでプロボクシングWBA世界ミドル級王者の村田諒太(34)=帝拳=が18日、東京五輪男女ボクシング代表6人、世界最終予選出場者4人(1人欠席)とコーチに向けたオンライン講座を行った。
この講座は、日本ボクシング連盟が東京五輪の1年延期を受けて企画したもの。ナショナルチームは合宿ができないなど強化もままならい状況で、自主的な練習を余儀なくされている選手のモチベーション低下を防ぎ、体力以外に知力を向上させて五輪出場や金メダル獲得につなげることを目標に全4回が予定され、1回目を村田が務めた。
日本2人目のボクシング金メダリストとなり、プロでも世界王者となる成功を収めた村田は画面を通じて選手らに「出場することで満足してはだめ。メダルでないと人生が変わりません。メダルを目指して欲しい」と力説。「どんな試合になろうとも、泥臭くても構わない。勝たなければだめだ」と熱く訴えた。
そして、「オリンピックの時は、笑顔をつくってリラックスすることを心掛けましたが、今は緊張しているときは緊張している顔をしてもいいと思っています。心と心を戦わせないで自然体で試合に臨むことが大切だと思っている」と精神面でのアドバイスも伝授。「日本の選手はレベルが高い。自分を信じて頑張って欲しい」と鼓舞した。
また、選手の質問にも回答。男子ウエルター級代表・岡沢セオン(24)=鹿児島県体協=から、アマチュアを続けたいもののプロのような稼ぎがない悩みを聞くと、「オリンピックに一度出るだけでは長期的には注目されないことがほとんど。東京五輪でまず結果を残して、次の五輪でも結果を残す必要があると思う。やはり金メダルを獲ることは重要ですし、連覇することでメディア露出が多くなるので世間への印象が残ります。高い志が重要です」と説いた。
最後には、「多くの質問をいただきましたが、自分の人生だから、自分が後悔ないようにやるべきだと思います。成功しても、失敗しても責任は自分です」と強調。自身の家族の話も披露し、「息子が滑り台を逆走して上まで行こうとしていましたが、なかなか登りきれず、嫁が、『ゴールがもっと上だと思って、走り抜けてみなよ』と言ったら、簡単に登り切りました」と、目標を高く持つことの大切さを伝えた。