リングガールもマスク…選手には消毒液噴射 ニカラグアで賛否の中ボクシング再開
新型コロナウイルスのパンデミックにより世界中で各種イベント中止が続く中、ニカラグアでプロボクシングの興行が再開された。25日(日本時間26日)、首都マナグアのアレクシス・アルゲリョ体育館で、8試合が開催された。
ニカラグア政府発表によると、同国の新型コロナウイルス感染者は20日現在で10人、死者は2人と世界的に見ると少ない。厳重な安全対策を施した上で、試合は観客を入れて決行された。会場にはWBA世界スーパーフライ級王者のローマン・ゴンサレスやこの興行のプロモーターでもある元世界2階級王者のロセンド・アルバレス氏ら同国の新旧王者も姿を見せた。
チケットは無料で、観客は入場時に検温、手と靴の消毒、マスク着用が義務付けられた。8097人収容の会場では観客が距離を取って着席するため入場者は10分の1となる800人ほどに絞られた。試合中の選手以外はセコンド、レフェリー、試合運営関係者、リングガールに至るまでマスクを装着。選手も入退場時はマスクをして、試合前にはリング上で消毒液を頭からつま先まで全身に噴射された。インタビューもマスク着用で行われた。メインイベントのライト級8回戦ではロビン・サモラ(ニカラグア)がラミロ・ブランコ(ニカラグア)に3-0で判定勝ちした。
感染防止のためイベント自粛が続く中、開催には否定的な声もある。プロモーターのアルバレス氏は試合を放送したESPNなどで「ニカラグアは決して豊かな国ではない。ボクサーは生活する必要がある。彼らは家に閉じこもり続けていることはできない。働くことができると示したい」とコメントした。
日本でのプロボクシングは2月27日の興行を最後に中止が続いている。日本ボクシングコミッションと日本ボクシング協会は22日に新型コロナウイルス対策連絡協議会を開き、5月末までとしていた自粛期間を6月末までに延長することを発表している。