ボクシングのＷＢＡ世界ミドル級王者の村田諒太（３４）＝帝拳＝が２６日、全国の高校ボクシング部員を対象にオンライン授業を行った。今夏の全国高校総体（インターハイ）が中止された全国の高校生へ「明日へのエールプロジェクト」として行われる授業の第１弾。各校の主将や代表選手４０人が参加した。

　村田は南京都高（現・京都広学館高）３年時、団体戦で予選敗退したために国体の個人戦出場権を得られず、高校６冠を逃した経験がある。「状況は違うが、出られなく悔しい気持ちが少し分かる。でも、そこで全日本選手権（準優勝）へと気持ちを切り替えられたことは誇り。次の目標を持ってくれれば」と話し、続けて「物事は未来からしか判断できない。あの時の気持ちがあったから今がある、と思えるようにしなければと、自分自身にも思う」と熱弁を振るった。

　村田は現在、ロードワークやシャドーボクシングなど人に会わない状態で練習を積んでいる。「あの時、練習できなかったから負けたとなったら、コロナに負けたということ。そんな後悔はしたくない」と気持ちを引き締めた。一方で「緊急事態宣言が解除されたからといってすぐ動きだすのは良くない」と、本格的なジムワーク再開時期は感染の収束状況を見て慎重に判断するつもりだ。