スターダム興行再開 見守って花さん…追悼10カウント 選手、ファン全員で黙とう
「プロレス・スターダム」(21日、東京・新木場1stRING)
女子プロレス団体スターダムが新型コロナウイルス感染拡大の影響で3月24日を最後に自粛を続けていた大会を、約3カ月ぶりに再開した。5月23日に急逝した木村花さん(享年22)追悼の10カウントゴングと黙とうがささげられ、花さんの盟友ジャングル叫女(きょうな、29)が「気持ちの整理がつかない」と欠場を発表。大会の最後には、花さんのライバルだったジュリア(26)が「ここで止まっているわけにはいきません」とファンに向かって決意表明した。
悲しみを乗り越えての再出発だ。自粛期間中には5月20日にワンダー・オブ・スターダム王者の星輝ありさが首と頭部の負傷のために引退し、その3日後には花さんが死去。2つの大きな衝撃に襲われながらも、選手もファンも待ちわびた大会再開にこぎつけた。ファンクラブ会員のみに販売されたチケットは約1分で完売したという。
大会の冒頭では花さんを追悼する10カウントゴングが打ち鳴らされ、選手総出でファンとともに黙とう。続いて、花さんの盟友で、死去直前の異変に気づいていち早く花さんのもとへ駆けつけたジャングル叫女がリング上で欠場を発表した。
「自分の中でまだ気持ちの整理が付いていなくて戦える状態ではない」と理由を説明。「いろんな思いがあるんですけども、それはまたリングに戻ってきたときに試合を通して伝えたいと思っています。今よりも何十倍も強い覚悟と心でまたリングに戻ってきます」と約束した。
メインイベントにはジュリアが登場。8人タッグ戦で勝利するとマイクを持ち、「お客さんのいる景色は最高だね」と久々のファンとの再会を喜び、「この3カ月間、自粛自粛でいろんなことがあり、みんなつらかったし、苦しかったと思います。われわれもそうです」と心境を吐露。それでも前を向き、「スターダムはここで止まっているわけにはいきません。そういう、いろんなものをはじき飛ばして前に前に進んで行かなくちゃならないので、諸君は楽しんで、いつも通り、いや、いつも以上に応援のほどよろしくお願いします」と誓った。
大会を見届けたロッシー小川エグゼクティブプロデューサーは「3カ月もやっていなかったとは思えないほどレベルをキープしている」と選手らを評価。また、何度もスター選手の離脱を乗り越えてきたこともあり、「主力選手が抜けたけども、その穴を埋められる選手が出てきた。選手の意識が変わって来ている。変わっていくのはスターダムの歴史そのもの」と期待した。スターダムの戦いを、天国の花さんも見守っているに違いない。