比嘉大吾「もう一度世界に」師・野木トレーナーとともにAmbitionジム入り
デビュー15連続KOの日本記録を持つプロボクシング元WBC世界フライ級王者の比嘉大吾(24)が30日、オンライン上で会見を開き、Ambitionジムに所属することを発表した。
18年4月の同王座3度目の防衛戦で体重超過し、王座剥奪となり、JBCからは無期限資格停止処分を受けた比嘉。処分解除後の今年2月に再起戦で勝利したが、3月には所属の白井具志堅ジムとの契約を解除していた。
Ambitionジムは元日本スーパーフライ級王者でオザキジムを率いた木谷卓也さん(47)が新たに開設し、当面は東京都渋谷区のEBISU K’s BOXジムに間借りする形で活動。WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔もReason大貴(現DANGAN・AOKI)ジムから移籍した。デビューから比嘉を指導し、同王座を失った後に白井具志堅ジムを離れていた野木丈司トレーナーもともにAmbitionジムに加入する。
会見で比嘉は「復帰したからにはもう一度世界チャンピオンになりたい」と目標を掲げ、バンタム級で活動することを明言。Ambitionジム入りの理由は「一番の理由は野木さんともう一度練習ができる。環境も何も考えないでボクシングに集中できるので、それが一番」と話した。比嘉は野木トレーナーと別れて臨んだ再起戦後にモチベーションの低下を口にしており、「デビューからずっと野木さんが見ていて、それ以外やり方が分からない。野木さんなしでやって気づいたので、世界獲りたいんだったら、また見てもらいたいというのがありました」と存在の大きさを語った。
一時ボクシング界を離れていたという野木トレーナーは比嘉と連絡を取っていたといい、「大吾がもう1度本気でやってみたいと話してくれたので、持てる力を発揮できる環境を整えたいと思った」と説明。「年内に2試合できたらいい。この2カ月で比嘉の状態は格段によくなった」と計画し、新型コロナウイルス感染の影響により先行きが不透明だが、1戦目は9月か10月、2戦目は大みそかを希望している。
2階級上のバンタム級で戦うことに、野木トレーナーは「若干のスタイル変更は考えている。大吾の骨格はバンタムの中でも大きいと思う。ボクシングセンスは普通じゃない。新しい階級でも世界タイトルは獲れると思う」と強調。同じ階級には井上尚弥(大橋)がWBA・IBF世界統一王者に君臨し、比嘉は「(戦うことは)イメージしていない。これからまた試合やって、練習積み重ねて…」と実感がない様子だったが、野木トレーナーは「今すぐは考えにくいが、どう戦うかは考えている。比嘉が世界チャンピオンだったときから頭にはあった。3、4戦やってみて。少なくとも尚弥君とは世界タイトルを持ってないとできないと思っている」との考えを示した。
また、古巣の白井具志堅ジムが7月末で閉鎖することを発表。比嘉は「通っていた学校が廃校になった感じ」とさみしげに話した。