清水聡、7回TKOで東洋太平洋V5 両眼窩底骨折から復活 聖地後楽園で興業
「ボクシング・東洋太平洋フェザー級タイトルマッチ」(16日、後楽園ホール=無観客試合)
ボクシングの“聖地”後楽園ホールで2月27日以来140日ぶりの公式試合、新型コロナウイルス感染拡大による興行自粛明け初のタイトルマッチが行われ、王者の清水聡(34)=大橋=が同級14位の挑戦者・殿本恭平(25)=勝輝=を7回TKOで破って5度目の防衛に成功した。
昨年7月に1階級上のWBOアジアパシフィック・スーパーフェザー級王者ジョー・ノイナイ(フィリピン)に挑戦してプロ初黒星を喫し、両眼窩底骨折してからの再起戦だった清水。初回に“ダイヤモンドレフト”の異名を取る強打の左ストレートでダウンを奪うと、続けて右フックで2度目のダウンを奪う。だが、すぐに起き上がって手数を繰り出す殿本と打ち合い、仕留めきれなかった。
その後も殿本のプレッシャーに手を焼く展開となったが、3回から右ジャブを効果的に突き刺して徐々に流れを引き寄せる。そして、7回、ワンツーを2度3度とヒットさせ、さらにはボディーで殿本の動きを止めると、最後はコーナーに追い詰めて連打を放ったところでレフェリーがストップした。
リング下でのインタビューでは「1ラウンドに2回ダウンが取れて、若かったらあそこでラッシュしていたと思うんですけど、今回は大事を取って攻めるとスキもできるので、そこを考えました」と試合を振り返った清水。再起までの1年を「プロは1戦1戦が大きい。ウチのジムには世界チャンピオンの先輩が何人もいるので、アドバイスをもらってやっていかないと行けないなと思いました」と話した。
無観客試合については「アマチュアの時は毎回こんな感じなので、懐かしい感じがして、逆に」と苦笑しながらも、「コロナ禍の中でやっていただけて、関係者の方には厚くお礼申し上げます」と感謝。「今回は期待に添う動きができなかったですけど、これで課題が見つかって、自分の動きさえできればちゃんとした試合ができると思うので、次に向かって行きたいと思います」と、ファンに精進を誓った。