諏訪魔、故青木篤志さんにささげる勝利「みんな絶対忘れないよ」
「プロレス・全日本」(15日、後楽園ホール)
昨年6月3日に交通事故で急逝した元世界ジュニアヘビー級王者の青木篤志さん(享年41)のメモリアル大会が行われ、メインイベントで、青木さんが所属していたユニット、エボリューションを率いる諏訪魔が天国にささげる白星を挙げた。
諏訪魔は石川修司、入江茂弘と組んで宮原健斗、ジェイク・リー、岡林裕二組と対戦。6人が入り乱れる熱戦は最後、諏訪魔と宮原の一騎打ちとなった。最後、諏訪魔は「青木がそうさせたんだろうな。先輩、カッコつけさせませんよと怒られた」と、フィニッシュ技のラストライドをバランスを崩して失敗したものの、2度目で成功させて3カウントを奪った。
リング上でマイクを握った諏訪魔は「青木が旅立って1年ちょっとたつけど、いまだにオレの横にいるような感覚がある。今日だって、(自身が保持する3冠ヘビー級王座と世界タッグ王座の)5冠のベルトをアイツに見せたいんだよ。アイツの顔が見たいんだ。チクショーって顔をするんだよ。でも、それもできない。すごくさみしいな」としみじみ。
だが気丈に、「でも、みんなで全日本プロレスを盛り上げることが青木が喜ぶことなんじゃないかと思う。みんな青木篤志を絶対忘れないよ。今日来てくれたみなさん、青木篤志、そして、アイツが愛した全日本プロレスのリングをこれからも応援して下さい」とあいさつし、最後は選手総出で10カウントゴングとともに黙祷をささげた。
インタビューでも諏訪魔は「親友の追悼大会を終えて、複雑だな。感無量とも言えないし。でも、青木のために、なんかまた一歩進んだ形で思いを伝えれたと思う。やっぱり、リング上で青木と会うと込み上げてくるな。涙が出て来る。思い出す」とさみしさを隠せず。
それでも、ラストライド失敗をパートナーらと振り返り、「青木の野郎、覚えとけよ。笑ったよね。チクショー。でも、よかったよ。面白かった。青木のことをまた思うときまで、みんなまた頑張ろう」と笑顔で呼びかけた。