勅使河原「世界レベル感じさせる」東洋太平洋タイトル戦 師・輪島会長にV4で恩返し
「ボクシング・東洋太平洋スーパーバンタム級タイトルマッチ」(8日、後楽園ホール)
前日計量(上限55・3キロ)が7日、都内で行われ、4度目の防衛戦となる王者の勅使河原弘晶(30)=三迫=と挑戦者で同級15位の河村真吾(30)=ミツキ=はともに1回目に55・3キロでパスした。
勅使河原は8月に元世界スーパーウエルター級王者の輪島功一氏が会長を務める輪島功一スポーツジムから輪島会長が現役時代に所属した三迫ジムに移籍後の初戦。新型コロナウイルス感染拡大の影響もあって昨年12月以来久々の試合となるが、「絶好調です。常に練習していたので不安はない。今のボクは強いので、楽しみです」とアピールし、「輪島ジムへの感謝、三迫ジムへの感謝、いろんな方への感謝があってリングに上がれる」と思いを語った。
河村の印象については「特にない」という。現在はIBF世界3位、WBC世界4位にランクされており、「世界を感じさせるのがテーマ。何もさせずに世界レベルを感じさせる試合にする」と試合を位置づけた。
移籍の大きな理由にWBC世界ライトフライ級王者の寺地拳四朗(BMB)も指導する加藤健太トレーナーの存在をあげる。感染防止のため輪島功一スポーツジムが練習時間を制限していた時期に三迫ジムで練習し、加藤トレーナーの指導を受け、「ボクを世界チャンピオンにするという目で指導して下さったのが刺さった。この人となら世界チャンピオンになれると確信した」という。
加藤トレーナーの指導によって「どうやったらKOに結びつけられるか、相手のボクシングを崩していけるか、というのを教わりました。今までは感覚でやっていた部分があったので、ボクシングに対して考えられるようになった」と成長を実感。三迫ジムは日本王者が6人も所属するなど選手層が厚く、「みんなモチベーションが高くて活気があっていいジムだと感じた」というのも移籍のきっかけとなった。
また、三迫ジムを東京の練習拠点にしている拳四朗からも大きな刺激を受けている。「練習を見て世界を感じた。世界チャンピオンになるにはこうでなくてはいけないんだという姿を知った。今までは試合が終わったら遊びたいという気持ちが大きかったですけど、今回は早く練習したい。こんな気持ちは初めて」と説明した。
勅使河原は10代の頃、非行に走って少年院で長い時間を過ごしたが、輪島会長の著作を読んで改心し、ボクシングの道を志した。師である輪島会長へは「感謝の気持ちしかない」といい、「早く世界のベルトをプレゼントしたい」と恩返しを誓った。