「ボクシング・ＷＢＯ世界スーパーフライ級タイトルマッチ」（１２月３１日、大田区総合体育館）

　ボクシングのＷＢＯ世界スーパーフライ級王者の井岡一翔（３１）＝Ａｍｂｉｔｉｏｎ＝が、同級１位で世界３階級制覇の実績を持つ田中恒成（２５）＝畑中＝と１２月３１日に東京・大田区総合体育館で２度目の防衛戦を行うことを９日、所属ジムが発表した。日本男子唯一の世界４階級制覇王者である井岡は、オンラインでの記者会見で「レベルの違いを見せる」と宣言。この試合で田中が挑む全勝での４階級制覇阻止に強い自信を示した。

　史上初の日本人複数階級制覇王者の対決にも泰然自若としていた。会見に臨んだ井岡は、まず新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年大みそか以来１年ぶりの試合が決まったことを「こういう状況の中で、年内にできるということで喜びを感じています」と感謝した。

　ＷＢＯ世界フライ級王座を返上して挑んでくる田中は、井岡がなし得なかった全勝での世界３階級制覇を世界最速タイで達成。過去最強と言ってもいい相手だ。だが井岡は「特に印象はない」とし、「実績ある選手で４階級制覇がかかる試合。僕も日本人初の４階級制覇の王者として必ずそれは阻止しないといけないと思っている」とプライドを見せた。

　日本人との世界戦は、１２年６月にＷＢＣ世界ミニマム級王者としてＷＢＡ同級王者の八重樫東と対戦して以来２度目。「日本人とやるのも久しぶりなので、国内が盛り上がればいい。今回も内容と結果にこだわっていきたい」と言い、「格の違い、レベルの違いを見せられたらいい」と繰り返し口にするなど自信たっぷり。技の戦いか気持ちの戦いか、イメージを問われても「どっちでも負ける気がしない。どういう展開になっても格の違いを見せられる」と豪語した。

　先の見えないコロナ禍でモチベーションへの影響も「僕の中ではやるかやらないか。気持ち的に難しいことはなかった」と強調。６月にＲｅａｓｏｎ大貴ジム（現ＤＡＮＧＡＮ　ＡＯＫＩジム）から現所属ジムへの移籍初戦となるため「自分と向き合う時間もあったし、練習も基礎的なトレーニングは長い時間できた。いいパフォーマンスを見せて、さらに強くなった姿を見せたい」と意気込んだ。

　これまでは米国での長期合宿で名伯楽イスマエル・サラス氏の指導を受けてきたが、今回は渡米できないため、サラス氏の早期来日を調整している。それまでは「やることは変わらない。今までやってきたことを組み合わせながら、アドバイスを聞きながらやっていきたい」という。４階級制覇を知る唯一の男が、その壁の高さを見せつけることができるか。