王者の森は亀田和毅、挑戦者の溜田は井上尚弥から刺激WBO・APフェザー級戦前日計量

 「ボクシング・WBOアジアパシフィック・フェザー級タイトルマッチ12回戦」(28日、後楽園ホール)

 前日計量(上限57・1キロ)が26日、都内で行われ、王者の森武藏(20)=薬師寺=は57・0キロ、挑戦者の溜田剛士(27)=大橋=は57・1キロで、ともに1回目でパスした。

 3度目の防衛戦となる森は約1年ぶりの試合。WBOの世界同級4位にランクされて世界王座も射程圏内に入っており、この1戦を「世界ランカーとして、防衛戦じゃなくて、次にステップアップできるような試合をしたい」と位置づけている。

 溜田の印象を「近い距離が得意でパンチのある選手」と話し、「相手があってのことなので、ゴングが鳴って相手がどう出てくるかも分からないので、どう動いてきても対応できるようにしてきた」と対策。「12ラウンドやるならやって、その中で明確な判定勝ち、KO勝ちができたらいい」と快勝を誓う。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響により4月に予定されていた試合が中止となったが、その試合へ向けて2月から約2カ月間、米ラスベガスでキューバ出身の名伯楽イスマエル・サラス氏の指導を受けた。今でもサラス氏とはLINEで連絡を取り合い、練習の動画を送ってチェックしてもらうなどの“リモート指導”を受けており、「マススパーリング通りにやればいける。自分を信じてやって欲しい」とアドバイスされたという。また、同じくサラス氏に師事する元世界2階級制覇王者の亀田和毅とも親交が生まれてマススパーリングなどを行ったといい、「学ぶものはありました」と刺激を受けている。

 一方の溜田は19年11月の「はじめの一歩フェザー級トーナメント」予選で韓国のイ・ジェウに敗れて以来の再起戦が自身初のタイトル戦。まずは所属ジムの大橋秀行会長に「感謝しかないですよ」と話した。

 森の印象については「サウスポーっぽくないサウスポー。ちゃんとジャブ、ワンツーを打ってくる、オーソドックスの選手をひっくり返したようなイメージ」という。「自分は打ち合いで活路を見いだせると思うので、もらわずに打てる距離に入って打つしかない。そうなるとサウスポーも関係ない」と戦いを想定した。

 コロナ禍により試合がなかった約1年の間は、前所属先で17年8月に閉鎖となったヨネクラジムの米倉健司会長の教えを徹底。「自分ができること、米倉会長に教えてもらった通りによけて打つ、打ってよけるぐらいしかできないので。あとはガードが下がってしまうのでそこは気をつけるようにした」という。

 同門のWBA・IBF統一バンタム級王者で、1日(現地時間10月31日)に米ラスベガスでジェーソン・モロニー(豪州)に7回KOの快勝を収めた井上尚弥とは同い年。「すごかったですね。あんな場所であんな試合ができるってスゲえなと思った。負けてられないって、頑張ろうと思った。同い年ですし」と大いに刺激を受けている。最後は「タイトルマッチなので勝たないと意味ないので、KOでも判定でも何でもいいんで勝ちます」と闘志を燃やした。

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