54歳タイソン 野獣健在!15年ぶりリングで圧倒ドロー「もう一回やろう」
「ボクシング・エキシビジョンマッチ」(28日、ロサンゼルス)
元統一世界ヘビー級王者のマイク・タイソン(54)=米国=が、2005年以来のリングに上がり、元世界4階級王者のロイ・ジョーンズ(51)=米国=と規定のラウンド(2分×8回)を戦い抜いた。エキシビションマッチながらレフェリーがつき、WBC元王者によるリモート採点が行われた結果、試合はドローとなった。
規定のラウンドを戦い抜いたタイソンは「昔は(1ラウンド)3分間でやっていたけれど、2分が3分のように感じたよ」と振り返った。「8ラウンドを戦い抜けたことに喜びを感じている」と充実の表情を浮かべた。
黒のノースリーブに、コロナ禍を象徴する黒マスクを着けてリングへ。前日の計量では相手より5キロ近く重い99・9キロ。トランクス姿になると、全盛期をほうふつさせるような肉体を披露した。
正式な引退表明こそしていないが、2005年6月のケビン・マクブライド(アイルランド)戦での敗戦を最後に、事実上の引退状態となっていた。それでもゴングが鳴れば、野獣のようなタイソンそのものだ。
序盤から手数で上回り、年齢を感じさせない俊敏な動き。ジョーンズをコーナーに追い詰め、重いパンチをボディーにたたき込んだ。圧倒的な判定勝ちかと思われたが結果はドロー。それでもタイソンは「みんなを楽しませ、満足させた」と納得の表情を見せた。
この2年で体重を45キロほど落とし、ランニングマシンで走る時間は15分から2時間に増えた。妻の協力を得て食事を菜食中心に切り替えるなどして体を絞った。「全てが地獄だった」という努力を経てリングに戻り、試合後は「もう一回やろう」と意欲を示した。
米メディアによると、今回の試合のファイトマネー1千万ドル(約10億4千万円)の一部を寄付する。試合は新型コロナウイルスを考慮し、無観客で実施された。