GHCヘビー王者・潮崎、死闘50分超で杉浦撃破!来年2月武道館で武藤とV7戦へ
「プロレス・ノア」(6日、国立代々木競技場第二体育館)
GHCヘビー級選手権試合が行われ、王者の潮崎豪が杉浦貴の挑戦を退けて6度目の防衛に成功。試合後、武藤敬司から来年2月12日の日本武道館大会での挑戦を要求され、その場で受諾した。
ノア20周年最後のビッグマッチのメインイベントは09年に、この日と同じ12月6日の日本武道館大会で初めて同王座戦をかけて激突した2人の運命的な対決。今年1月に奪取した王座を守り続けてノアをけん引した潮崎に杉浦が挑戦を要求して実現した。
潮崎は場内に衝撃音がこだまするほどの強烈なチョップの連打で攻め込めば、杉浦は潮崎の武器である右腕を集中攻撃して反撃。さらに杉浦が雪崩式ブレーンバスター、潮崎はノータッチトペを繰り出すなど、戦いは時がたつにつれて激化していく。
そして試合時間が40分にさしかかる頃、得意の五輪予選スラムを決めた杉浦が流れ式の五輪予選スラムを狙うが、なんと潮崎は雪崩式リミットブレイクの荒技で切り返す。潮崎はそこから猛攻を加え、ムーンサルトプレスでトドメを刺そうとしたが、杉浦はヒザを立てて迎撃。杉浦はフロントネックロックで長時間絞め上げるが、潮崎は意地で耐え抜き、ゴーフラッシャーでたたきつけて脱出する。
両者はグロッギー状態になりながらも、潮崎はラリアット、杉浦はエルボーの激しい打ち合いを展開。打ち勝った潮崎が、最後は豪腕ラリアット3連発をたたき込んで51分超の戦いにピリオドを打った。
そして、試合後、以前から元IWGPヘビー級と3冠ヘビー級の王者で、唯一手にしていない3大メジャータイトルのGHCヘビー級王座奪取に意欲を示している武藤敬司がリングに登場。「ちょっと老いぼれてるけど、そんなオレも夢見ていいだろ。俺の夢、付き合ってくれ。日本武道館、ベルトに挑戦させてくれ」と、この日に開催が発表されたノア11年ぶりの日本武道館大会での挑戦を要求した。これを潮崎は「武藤敬司、いつ何時も、誰の挑戦でも受ける。オレがアイ・アム・ノアだ」と即受諾。2人の対戦が決定的となった。
続けて、潮崎は「12月6日、とてもオレにとって意味のある戦いができました。杉浦貴、ありがとうございました」と激闘を繰り広げたライバルに感謝。最後は「みなさんにとって、このノア、もっともっと可能性のある団体に思えるでしょう。もっともっとノアはさらに加速していって、プロレス界をノア色に染めます。アイ・アム・ノア!ウィー・アー・ノア!」と叫んで締めた。
試合後のインタビューで武藤は、「率直にうれしいですよ。タイトルマッチが決まって」と笑顔。「オレも武道館で数々の記憶に残る試合をやっているので、いい場所ですよ。TPOがなんとなく整っていたから挑戦の名乗りをしにいったわけで、いいですね。なんか生きている感じがしますよ」と胸を躍らせた。
潮崎の激闘を振り返り、「こういう長時間の試合をするのは、昔からのノアの、もしかしたら四天王(三沢光晴、川田利明、田上明、小橋建太)の時からの時からのスタイル。また違うから、オレのプロレス論は。もしかしたら、こういうスタイルには付き合わないね。このスタイルに引きずり込まれたくないですね」と武藤流を貫くことを示唆。
また、潮崎が「いつ何時も、誰の挑戦でも受ける」と発言したことには、「だったら、(デビュー)1年ぐらいの若手の挑戦も受けるのか。オレなんか(タレントの)インリン(・オブ・ジョイトイ)ともやったこともあるし、そんなのも受けるか。あんまりそういうこと口にしない方が…」と苦笑した。
潮崎は50分超の試合を振り返り、「時間は関係ないね。50分もやったとは、途中の経過時間も気にならなくて。50分やろうが、60分やろうが、30分やろうが、杉浦貴との戦いには時間は関係ない。熱いものを受け取り、熱いものを返す。杉浦貴との戦いにはそれだけお互いの気持ちがもこっている」と充実の表情。武藤の挑戦要求には「武藤敬司もGHCだけを巻いていない。それに付き合うつもりは全くない。でも、武藤敬司との戦い、夢があるよ」と歓迎した。
そして11年ぶりの武道館大会については「武道館にふさわしい戦いが行われる。待ち遠しいね。ノアが武道館に帰ってくる、そのリングで武藤敬司と戦うこと、そんなに夢があることないでしょう」と意気込み、「必ずGHCヘビー級タイトルの戦いをしてオレが勝ちます」と勝利を宣言。武藤が長時間の試合に付き合わないことを示唆したことには「だれも付き合いたくない。だれも長い試合したくないよ。長さなんて関係ない。ただ、お互いの気持ちがそうさせるだけ。付き合わないなら付き合わない」と苦笑し、「年だから、何歳になろうが武藤敬司は武藤敬司。その武藤敬司をしっかりこのGHCヘビー級、アイ・アム・ノア、潮崎豪が防衛します」と自信を示した。