三代大訓が前世界王者の伊藤に僅差判定勝ち!3冠王者・吉野戦へ「次は楽に勝てる」
「ボクシング・10回戦」(26日、墨田区総合体育館)
OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級王者の三代大訓(26)=ワタナベ=が前WBO世界スーパーフェザー級王者の伊藤雅雪(29)=横浜光=を2-0の判定で破った。
中量級の国内トップ選手が1階級上げて激突する注目の一戦。身長とリーチで勝る三代は開始から軽やかなフットワークで距離を保ちながらスピード豊かな左ジャブを次々と突き刺して主導権を握る。
中盤からはプレッシャーを強めた伊藤に、ロープ際に追い込まれて連打を浴びる場面も目立ったが、打ち合いに付き合わず冷静に応戦。終盤に入ってもジャブのスピードは衰えることなく押し切り、2者が2点差、1者が同点の僅差で勝利をものにした。
世界的に層の厚いライト級は、日本、OPBF東洋太平洋、WBPアジアパシフィック3冠に君臨する吉野修一郎(三迫)に加え、現役復帰した中谷正義(帝拳)が米国でWBOインターコンチネンタルライト級王座を奪取するなど、国内でも盛り上がりを見せている。
その中で熱戦の末に「あこがれの人」という伊藤超えを果たし、リング上で「本当にすごく強かった。それに尽きる」と振り返った三代。続けて、「吉野選手が(この試合の)勝者とやると言っていたので、ボクも今日はふがいない内容だったんですけど、吉野選手ならもっと楽に勝てると思っている。次は(来)春になると思うんですけど、ぶっ倒したいと思います」と3冠王者に挑発的な挑戦状を突きつけた。
インタビューではジャブが好調だったことを「殺気を消すこと。伊藤選手は予備動作を見てきたので、自分の意思を裏切るタイミングで出す。行くよと言って打っても当たらない。自分の意識の外でするみたいな」と強調。勝因については「準備力ですね。試合前に勝負はついている。どれだけ準備してきたかで。その差だった」と語った。
また、吉野を挑発したことについては、「伊藤選手がライト級で一番の天敵だと思っていて、この(転級)第1戦が今後を左右すると思っていた。これで経験値とか自信も付きましたし、吉野選手とやるときは1・5倍ぐらい強くなっていると思う」と説明。世界へ向けては、「今のままじゃまだまだですね、実力的に。ただ、これでちょっとは近づいたんじゃないかと思う」と控えめに話した。
一方の伊藤は今後について「今はちょっと考えられない。目指しているのが国内ではないので、自分よりランクの下の選手に負けてしまったのは簡単なことではない。ここからまた一から国内でやり直すのは、気持ちを作れない。年末年始ゆっくりして考えたい」と話すにとどめた。