新日本・飯伏2冠奪取「ジェイに勝って本当の神に」激闘31分カミゴェ3発で内藤粉砕
「プロレス・新日本」(4日、東京ドーム)
挑戦者の飯伏幸太(38)が、2冠王者の内藤哲也(38)を破り、IWGPヘビー級は初、同インターコンチネンタルは2度目の奪取に成功した。飯伏は30分を超える激闘の末、必殺の膝蹴りカミゴェを2度返す粘りを見せた内藤を3発目のカミゴェで粉砕。5日の東京ドーム大会で2冠王座挑戦権利証保持者ジェイ・ホワイト(28)の挑戦を受ける。
幼いころに夢見た新日本の頂点に、ついにたどり着いた。同じ82年生まれで過去8度戦った“特別な関係”の内藤から2冠を奪った飯伏。自身から挑戦権利証を奪ったホワイトとの防衛戦へ、「ボクは逃げない、負けない、あきらめない。そして明日、ジェイに勝って、本当の神になる」と高らかに宣言した。
一進一退の熱戦は20分過ぎから激化。飯伏が断崖式フランケンシュタイナーを繰り出せば、内藤も雪崩式裏フランケンシュタイナーで反撃し、観衆を驚かせる。そして、飯伏はラストライドから必殺カミゴェを突き刺したが、内藤はカウント2で返す驚異的な粘りを発揮。飯伏はぼう然としながらも、封印していたフェニックススプラッシュを発射したが自爆。さらに2発目のカミゴェもカウント2で返されてしまう。
終盤にはバレンティアからの正調デスティーノで内藤にトドメを刺されそうになったが、内藤の体を頭上で食い止めて3発目のカミゴェを発射し、ついに3カウント。飯伏は疲労とダメージのあまり試合が終わったことに気づかず、再度フォールに行くほどだった。
小5のころに見たビデオがきっかけで新日本入りを決意した飯伏。DDTでプロレスデビューし、驚異的な身体能力を生かした空中殺法と独創的な戦いで頭角を現したが、紆余(うよ)曲折を経て19年に新日本と専属契約してからは、独創的な面は抑制している感があった。
同じプロレス少年だった内藤との決戦に向けて、ツイッターで「あのころの自分を取り戻すために一人研究。少しずつ思い出してきている。一度捨てたものは拾わないけど、持ち帰ります」と手応えを語っていた。その成果を結果に変えた。
ホワイトのアピールは「オレは絶対に一日じゃ終わらない。お前は明日で終わるな」と一蹴。「絶対に明日も守り抜いて見せます」とファンに誓った。