井岡一翔のタトゥー問題 彫り師団体が抗議文「井岡選手を侮辱するもの」

井岡一翔
2回、田中恒成(右)の顔面に左フックを放つ井岡一翔=2020年12月31日
4回、田中恒成(左)の顔面に右フックを浴びせる井岡一翔=2020年12月31日
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 昨年大みそかのWBO世界スーパーフライ級タイトルマッチでTKO勝ちした井岡一翔=Ambition=が試合中にタトゥーを露出させたことが問題視されていることを受け、彫り師の団体「日本タトゥーイスト協会」が9日までに抗議文を発表。日本ボクシングコミッション(JBC)が処分を検討していることに、「反対の意を表明します」と訴えた。

 同協会はHPに「井岡選手への処分について」のタイトルで文章を記載。「『入れ墨など観客に不快の念を与える風体の者』を試合出場の欠格事由とするJBCのルールは、以下の2点で不合理なものです」とした。

 まず、JBCが「入れ墨とファッションとしてのタトゥーの線引きは難しく、反社会的勢力の象徴としてのイメージは今なお消えていない」と主張していることに、「世界チャンピオンである井岡選手と『反社会的勢力』との間に関わりがあると言わんばかりの主張は、井岡選手を侮辱するものです」と抗議。

 もう一点では日本在住の外国人には容認されていることに触れ、「これは不合理なダブルスタンダードというほかありません。国籍が日本か否かによって、試合中に入れ墨を露出してもよい/悪いが決められるというのは、ボクサーの個人としての尊厳をあまりに軽んじるものです」と指摘した。

 そして、井岡が1年5か月ぶりの再起戦を戦う際に決意と覚悟を示す証としてタトゥーを入れ始めたという点にも注目。「個人が自らの『信条ないし情念』に従って入れたタトゥーについて、対外的な場での露出を禁じる(それも国籍が日本である場合のみ)ことには、何らの合理性も認められません」と、抗議理由を記した。

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