天山広吉 父死去も馬場追善興行出場「涙も出尽くした」モンゴリアン封印と二重の悲しみ

小島聡(左)にモンゴリアンチョップを見舞うのをためらう天山広吉=後楽園ホール
青柳優馬(右)を攻める鈴木みのる=後楽園ホール
 挨拶をする武藤敬司=後楽園ホール
3枚

 「プロレス・ジャイアント馬場23回忌追善興行」(4日、後楽園ホール)

 日本プロレス、全日本プロレスのエースとして活躍し、1999年1月31日に死去したジャイアント馬場さん(享年61)の追善興行が行われ、7団体とフリーの26選手が出場した。

 メインイベントでは元三冠ヘビー級王者の武藤敬司と小島聡(新日本)が、現同王者の諏訪魔(全日本)とトリオを結成し、天山広吉(新日本)、カズ・ハヤシ(GLEAT)、河野真幸(フリー)組に勝利した。

 天山は30日に新日本の愛知大会でグレート‐O‐カーンとの敗者モンゴリアンチョップ封印マッチに敗れ、必殺技を封じられたばかり。この日は相手組に入った盟友の小島に何度もモンゴリアンチョップを見舞われたが、自身は最後まで繰り出さなかった。

 試合は最後、三冠王者トリオが河野を捕らえ、河野に小島がラリアット、諏訪魔がバックドロップを繰り出し、武藤が閃光魔術でトドメ。武藤はマイクを持つと、「今日は味方の選手も敵の選手も、今は戦うリングが全然違うけど。同じ釜の飯を食った仲間たち。本当に今、いい時間、心地よい時間だった。これもひとえに馬場さんのおかげだと思っています。馬場さんありがとう」と天国に向けて感謝した。

 そして、全日本の社長でもあった武藤は、小島が全日本所属時代に諏訪魔と遺恨があったことに触れ、「オレが最後に見たとき、お前ら仲悪かったよな。今日は機能してたよ」と指摘。続いてマイクを持った諏訪魔は「今までいろんな感情を持ってアンタと接した。だけど、よくこの長い時間感じてきて分かった。小島さん、オレの間違いだったこれからは先輩後輩、いい関係でもう一回、一緒にお願いします」と、和解の握手を求めると、小島は戸惑いながらも応じた。

 インタビューでは、天山がモンゴリアンチョップを使わなかったことに「約束は約束。オレも男やったら、口に出した以上、約束は守らないといけない」と力説。そして、1日に父の山本健治さんが老衰のため76歳で死去していたことを明かした。

 1日に連絡を受けて、東京から父のいる京都へ向かったが、最後には間に合わなかったという。「モンゴリアンも封印されて、親父も亡くなってしまって、めちゃめちゃ落ち込んで。自分自身でもどうしたらいいかって」と悲しみに暮れた心境を語った。

 前日に告別式を終えたばかりながら今大会に出場した理由を「でやっぱり最後はリングに上がって、自分を見せたい。今の全部をさらけ出して、リングで表現しなきゃいけない。断ることはできなかったですね、出場を。偉大な馬場さん(追善興行)にマッチメークされて、しっかり試合をしたかったというのもあった。『お前、頑張れよ』って背中を押してくれた、馬場さんに感謝します」と説明。「涙も出尽くして、これ以上出ないって感じですよ。後は残りのレスラー人生、天山広吉、ガッチリ頑張っていきたいと思います」と天国の父に奮闘を誓った。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス