久保隼3回TKO圧勝で再起2連勝 元世界王者の貫禄見せつけた

 「ボクシング・8回戦」(28日、神戸市立中央体育館)

 元WBA世界スーパーバンタム級王者の久保隼(30)=真正=がメインイベントの58・5キロ契約ノンタイトル戦に登場し、3回2分59秒TKOで佐伯瑠壱斗(22)=岐阜ヨコゼキ=に圧勝し、再起2連勝を飾った。

 元世界王者の貫禄を見せつけた。初回から左ボディーストレートを連発していた久保は3回、シャープな左ストレートを顔面に打ち込み先制のダウンを奪う。再開後、挽回を狙う佐伯の右をもらう場面もあったが、最後は左ストレートでぐらつかせてストップを呼び込んだ。

 19年5月にWBA世界フェザー級王者・徐燦(中国)に挑み6回TKO負け。引退を決意し、神戸市の介護施設で働き始めた。しかしボクシングを諦めきれず20年9月に再起。今回再起2連勝となった。

 試合前は不安もあった。「自分自身、プロの最低ラインが『応援よろしくお願いします』という言葉が応援してくださる人たちに嘘にならないように頑張ることだと思っている。その言葉が嘘になるような練習や日々の意識ではプロボクサーとしてリングに上がることはできない」。本当に追い込んだ練習ができているのか、試合前には悩むことも多かったという。

 その中でダウンを奪う圧勝。クリンチ際に空いた左腕でパンチを連発するなど攻撃的な一面も見せた。「気持ちの強い佐伯選手に、今までにないものを見せられたところは良かった」と振り返った。

 目指す先はフェザー級での頂点に変わりない。国内最強を証明して世界に向かいたい気持ちが強い。東洋大時代に「やったるわ」と出向いた出げいこ先で「ボコボコにされた」という東洋太平洋同級王者・清水聡(大橋)との対戦を熱望する。清水はWBOアジア・パシフィック同級王者の森武蔵(薬師寺)と5月13日に統一戦を行う。

 陣営の山下正人会長は新型コロナの影響で興行に制限があることもあり、マッチメークの難しさを強調する。その上で「フェザー級の動向を見ながら決めたい。相手を選んでいる状況ではない」と誰にでも挑戦する方針を示した。

関連ニュース

編集者のオススメ記事

ファイト最新ニュース

もっとみる

    主要ニュース

    ランキング(ファイト)

    写真

    話題の写真ランキング

    リアルタイムランキング

    注目トピックス