日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）は２７日、ＷＢＯ世界スーパーフライ級王者の井岡一翔（３２）＝Ａｍｂｉｔｉｏｎ＝が２０年１２月の防衛戦でのドーピング検査で大麻など違法薬物の陽性反応が出たことについて、倫理委員会を開催して調査、審議を行っていると文書で発表した。

　また、文書では「審議に影響を及ぼすことを避けるために、現時点ではこれ以上の発表は差し控えさせていただきます。結論に至りました段階で、速やかに報告する所存でございます」としている。

　関係者の話では、井岡のドーピング検査では２つに分けたＡとＢの検体のうちＡ検体で陽性反応が出たという。ＪＢＣは再検査をする前に警察に相談、Ｂ検体は警察に提出、ＪＢＣに残っていないという。ドーピング検査は通常、Ａ検体で陽性が判明すれば予備のＢ検体を使って再検査して確定させる。

　ＪＢＣが定めるルールでは、ドーピング検査で禁止薬物などが検出された場合、選手には異議申し立て、再検査を要求する権利があり、倫理委員会で審議することになっている。だが、井岡側の弁護士は、ＪＢＣから検査結果、再検査の有無を知らされておらず、異議申し立ての機会も与えられていないとしている。