「プロレス・新日本」（１日、後楽園ホール）

　新日本の看板選手オカダ・カズチカが“レインメーカー”となってからは初の第１試合に出場。海外武者修行に出発することが決まっている上村優也の壮行試合で貫禄勝ちした。

　気の強さに定評があり、臆することなく攻め込んだ上村を相手に横綱相撲を展開したオカダ。馬乗り状態からのエルボー連打、串刺しドロップキック、バックドロップなどを涼しい顔で受けきると、ボディースラム連発、エルボーの連打など、道場の練習を思わせるような厳しい攻めで追い込んだ。

　終盤、気合を爆発させて立ち上がった上村のドロップキック、かんぬきスープレックスの反撃を受けたが、最後はラリアット連打からのマネークリップで絞殺。試合後は上村と肩を組んで健闘をたたえたが、直後になんと惜別のドロップキックを発射し、悔しさをにじませる上村を残して引き上げた。

　オカダはインタビューで「どんだけやっても、これが現時点での差。どんだけ技を出してもオレは余裕だ」とクールに振り返りつつ、「こっからまた強くなってくれればいい。一緒に新日本プロレスを盛り上げていくことができればいいんじゃないかと思います」と上村にエール。続けて、「オレから海外遠征の秘けつというものを言わせてもらえれば、楽しんでよ。壮行試合を終えてしまうとヤングライオン（新日本の若手レスラー）だからっていう言い訳は通用しなくなる。自分の足でしっかり立って、踏みしめながらと海外遠征頑張ってよ。オレほどにはならないと思うけど、期待して待ってます」とアドバイスを送った。

　一方、力の差を見せつけられた上村はガックリ。「最後の最後まで生意気言っておきながら、先輩に勝つことができなかったです。でも、プロレス人生はまだまだこれからです。時間はかかるけど、必ずシングルマッチでリベンジします」とオカダ超えを誓い、「チャンピオンになるとかそんなのはレスラーやってたら当たり前。オレの夢というか目標は、今、世の中ちょっと元気ないかもしれないですけど、その分、オレたちが元気を出して、プロレスで世界中を明るく元気にしてやります。ボクのプロレスキャリアを全部かけてでも絶対成し遂げます」とアピールした。