ラーメン好きのジロリアン 14キロ減量で3連続KOもタイトルは「目指していない」
「ボクシング・8回戦」(10日、後楽園ホール)
ラーメンを年間360杯以上食べ、プロ手品師の顔も持つWBOアジアパシフィック・ライト級6位のジロリアン陸(33)=フラッシュ赤羽=がノーランカーの橋本祐二(36)=折尾=を2回2分19秒TKOで破り、戦績を13勝(12KO)3敗とした。
高いKO率を誇り、2戦連続1回KO中の強打者ジロリアン。初回は様子の見合いからじわじわと距離を詰めると、左フックでダウン、さらには右ストレートで2度目のダウンを奪う。そして、2回ジロリアンは懐に飛び込んできた相手に合わせる強烈な右アッパーを一撃。相手は失神し、タンカで搬送された。
早期KOが続き、「3、4ラウンドはやりたい」との考えで臨んだ試合。だが、「1ラウンド目で頭を下げるクセがあるなと思って、アッパーが有効かなと」との狙いがはまり、またも早期KOとなった。
日本ランクも16位に入り、タイトル挑戦も視界に入って来た。だが、ライト級は地域3冠王者吉野修一郎(三迫)、元世界王者の伊藤雅雪(横浜光)ら強豪がひしめく階級であり、「自分の実力では話にならない。今の段階ではまったく目指していない」と消極的。「どっちが勝つか分からないような、面白いカードをやりたい」と希望した。
減量期間以外はラーメンを食べない日はほとんどないという食生活のため、毎試合減量に悩まされ、この試合では14キロも落とした。「もしかしたら(階級を)上げるかもしれない。本当にキツいんで」と話しながらも、「でも、スーパーライト(級)の体じゃないんで」との迷える心境も口にした。
以前はプロ手品師として生計を立てていたが、コロナ禍のため、ナイトクラブの出演ができず、路上でのパフォーマンスも難しくなり、トラックを運転するアルバイトを開始。「また落ち着いたらマジックで生活したいですね」とコロナの収束を願った。