「ボクシング・ＷＢＯ世界バンタム級タイトルマッチ」（１４日、カーソン）

　王者ジョンリール・カシメロ（３２）＝フィリピン＝が挑戦者の同級４位ギジェルモ・リゴンドー（４０）＝キューバ＝を２－１の判定で破り、暫定王者時代を合わせて４度目の防衛に成功した。

　試合後、カシメロは攻めあぐんだ試合に「リゴンドーはちゃんとファイトしてくれなかった」と不満顔。今後について、「次は（ＷＢＣ世界同級王者ノニト・）ドネア（フィリピン）、最後が井上」と、挑発するように中指を立てるしぐさを見せて宣言した。

　ＷＯＷＯＷの生中継にゲスト出演した、世界主要４団体の王座統一を目指すＷＢＡ・ＩＢＦ統一バンタム級王者の井上尚弥（２８）＝大橋＝は「次はドネアと交渉中」と明かしたが、怒りをこらえながら「ああいう態度をされたら、自分が叩きのめしたいと思う。日本のファンの期待に応えたい」と、カシメロへ闘志を燃やした。

　試合は開始から、プレッシャーをかけながら強打を振り回すカシメロを、リゴンドーが卓越したスピードとテクニックを生かしてかわす展開。だが、防御一辺倒でカウンター狙いのリゴンドーには観客から激しいブーイングが浴びせられた。突破口を開きたいカシメロが積極的に懐に飛び込もうとするも、リゴンドーはリングいっぱいを使う素早いフットワークでそれを許さず、最後まで目立った展開のないまま１２回終了。井上も「あそこまで逃げられたらボクシングにならない」と話すほどの試合は、手数で上回ったカシメロに軍配が上がった。