RIZIN リオ銀メダル太田忍、K1王者の久保に判定でMMA初星も「塩臭い試合」
「RIZIN.30」(19日、さいたまスーパーアリーナ)
16年リオ五輪レスリング男子グレコローマン59キロ級銀メダリストの太田忍(27)=パラエストラ柏=が、元K-1ワールドGPウエルター級王者の久保優太(33)=PURGE TOKYO/BRAVE=に3-0の判定で勝利した。
レスリングから総合格闘技(MMA)に転向し、20年12月に所英男に敗れて以来2戦目の太田と、K-1からボクシング転向を表明したものの試合をすることなく総合格闘技参戦を決め、これが初戦の久保。異色の対決は1回、いきなり飛び込んだ太田が久保に左の前蹴りを合わせられたものの、耐えてタックルに持ち込んでテークダウンに成功した。
得意のグラウンドに持ち込んだ太田は上から何度も鉄ついを振り下ろすなど優位に試合を展開。残り1分で両者立ち上がったが太田は組み付いてコーナーに押し込んで攻撃し、再びグラウンドに持ち込むとけさ固めの態勢で顔面にパンチの雨を降らせたところで1回を終えた。
2回は久保がプレッシャーをかけてきたが、太田は再びタックルでテークダウン。1回と同じようにグラウンドで上から無数のパンチを浴びせ、2回終了まで久保の抵抗を許さなかった。
3回、久保は再び前に出たものの、得意の打撃をたたき込むことはできず、再び太田がタックルでテークダウン。耳から大量出血しながらもグラウンドで攻め続けて、最後まで圧倒した。
MMA初勝利を挙げた太田は、「今回フェザー級での試合で、復帰戦ということで、相手はK-1のウエルター級チャンピオンの久保選手ということで、いろんな声がありました。ボク自身、SNSであおった部分もありますし、いろんな意見があると思いますけど、試合ができて感謝しかありません」と試合に至る過程を振り返った。
続けて、「始めたばかりですが、世界最高峰のベルトを目指して頑張っています。今日もバンタム級のトーナメントがありますけど、ボクの主戦場はバンタム級だと思っています。少しでも早くそこに絡めるようにもっともっと練習して格闘技漬けの毎日を送っていきたいと思います」と、バンタム級トップ戦線へ食い込むことに意欲。そして、榊原信行CEOに毎年恒例大みそか大会の出場をお願いし、「今日は判定っていう、ちょっと塩臭い試合になってしまいましたが、年末はしっかり準備して爆発させたいと思います」と誓った。