“泣き虫アンディ”体重超過の佐々木を11回TKOで2冠奪取!関根勤も祝福
「ボクシング・WBOアジアパシフィック&日本スーパーライト級王座決定戦」(19日、後楽園ホール)
WBOアジアパシフィック同級2位&日本同級1位の平岡アンディ(25)=大橋=のWBOアジアパシフィック同級3位&日本同級2位の佐々木尽(20)=八王子中屋=を11回1分58秒TKOで破り、初のタイトルとなる2冠を獲得した。
世界的プロモーターの米国トップランク社と契約し、本場ラスベガスで2戦した平岡とデビュー11連勝でKOが10という若きハードパンチャー佐々木の注目の一戦は、なんと佐々木が前日計量(上限体重63・5キロ)で1・8キロ超過して失格。佐々木がJBCのルールにより上限体重68・4キロに定められた当日計量を68・1キロでパスしたことで、試合は平岡が勝てば両王座を獲得、佐々木が勝つか引き分ければ両王座は空位となる条件で試合が行われることとなった。
序盤から、佐々木が挑発的なしぐさを交えながら前に出て強振するパンチの多くを軽やかなフットワークで空を切らせ、右のジャブを中心に上下に打ち分けて優位に試合を進めた平岡。7回の開始早々には右フックからの連打でダウンを奪う。さらに連打で2度目のダウンを奪うが、佐々木は「ウオーッ!」と気合を入れて立ち上がり、この回をしのいだ。
その後もひるまず前に出て繰り出す佐々木の強打にも、平岡は冷静に迎撃。11回には右アッパーでダウンを奪い、またも立ち上がった佐々木に連打を浴びせてストップを呼んだ。
試合後、平岡は「試合前からいろいろあって、お前何やってんだと思ったんですけど、失敗はみんなにあることなので切り替えて試合に臨むようにしました」と騒動を振り返りながらも、「彼も勉強熱心な選手で、これからチャンピオンになると思います。いい子なので、あまり責めないで下さい、みなさん」と佐々木を気遣った。
初のタイトルには「本当に待ちました。やっと獲れて、皆さんに見せたいです」と笑顔。層の厚い階級で世界へ一歩近づき、「もう一踏ん張り頑張って世界へ行かせていただきたいので、応援よろしくお願いします。みなさんの応援が必要です」と意欲を示した。
所属ジムの大橋秀行会長は佐々木の体重超過には不満を示しながらも、「みんなアンディとやらなくて、その中で一人だけやらせて下さいと。一番怖い相手と思っていた。彼はこれから間違いなく強くなる。根性も気迫もすごかった」と評価。平岡については「判定とKOでは全然違う。倒せたのはよかった」と話し、今後については「難しい階級なので、またラスベガスでチャンスがあれば。いろんな方向を考えていきたい」との見通しを示した。
また、平岡が少年時代に出演したTBS系バラエティー番組「さんまのSUPERからくりTV」のレギュラー関根勤も祝福。番組で“泣き虫アンディくん”と言われていた平岡の成長した姿に「感動ですね。親戚のおじさんみたいな気持ちなんですよ。あの頃の泣き虫のアンディ少年はどこにもいませんでした」と感慨深げに話した。
平岡は、世界王座を獲ったときに関根にお願いしたいことを問われると、「また共演したいなと。テレビの中で」と要望。これには関根も「いいですね。『SUPERからくりTVリボーン』とかやりたいですね」と賛同し、TBSの取材クルーに「それぐらいの枠取れますよね」と確認すると、「取れます」と返答された。