ボクシングＷＢＡスーパー・ＩＢＦ世界バンタム級王者の井上尚弥（２８）＝大橋＝が４日、横浜市の所属ジムで元世界３階級王者の田中恒成（２６）＝畑中＝と４ラウンドのスパーリングを行った。

　世界３階級を制した両者がスパーを行うのは今回が初めて。井上は１２月１４日にアラン・ディパエン（タイ）とＩＢＦ王座４度目の防衛戦。田中も１２月１１日に石田匠（井岡）との復帰戦を予定しており、調整期間が重なったことから超豪華スパーが実現した。井上が左アッパーを狙えば、田中もスピードで対抗。緊迫感のあるハイレベルな攻防が４ラウンド繰り広げられた。両者は５日にも再びスパーを行う予定。

　拳を交えるのは初めての両者だが、兄弟を巡る因縁はある。田中の兄で東京五輪フライ級銅メダリストの田中亮明（２８）＝中京高教＝は井上と同学年で高校時代は同階級だった。高校時代に４度の対戦があり、井上の４戦全勝に終わっている。

　一方で田中は井上の弟で元ＷＢＣ世界バンタム級暫定王者の井上拓真（２６）とは高校時代のライバルだった。２人はアマチュア時代に５度対戦し、田中が３勝２敗と勝ち越している。