村田諒太 タイソン戦超えビッグマッチ ゴロフキンとの統一戦はファイトマネーも桁外れ
「WBA・IBF世界ミドル級王座統一戦」(12月29日、さいたまスーパーアリーナ)
ボクシングのWBA世界ミドル級スーパー王者の村田諒太(35)=帝拳=とIBF同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(39)=カザフスタン=が12月29日にさいたまスーパーアリーナで2団体王座統一戦を行うことが12日、正式に発表された。この日に都内で行われた会見で、村田は世界的名王者との念願の一戦が実現し、「最強であることを証明したい」と意欲十分。帝拳ジムの本田明彦会長(74)は、興行経費が国内ボクシング興行史上最高のビッグマッチになることを明かした。
最大の戦いで最強を証明する。ゴロフキンも米国からリモートで会見に参加する中、村田は「一番尊敬する選手。彼を倒してボクが最強であることを証明したい」と静かに闘志を燃やした。
一方、ゴロフキンは日本で初の試合。「彼の強さを大変尊敬している。彼はWBAのスーパー王者であり金メダリスト。誰もが忘れられない記憶に残る試合になるだろう」と穏やかな表情で語った。
村田は2019年12月に初防衛してからはゴロフキン、現スーパーミドル級4団体統一王者サウル・アルバレス(メキシコ)ら世界的大物との対戦を熱望。20年5月にはアルバレス戦が計画されたが消滅し、その後はゴロフキン陣営と交渉を続け、コロナ禍にほんろうされながら実現に至った。村田は14年7月に米国でゴロフキンの練習に参加してスパーリングも行っており、強さを実感すると同時に「通用する部分も感じた」と振り返る。それから7年。「ようやく試合をするにふさわしい立場、実力になった」と感慨深げに語った。
2年のブランクは「ネガティブには捉えていない」といい、「試合はやってみないと分からない。でも、練習はずっとやっていた」と強調。「勝算という言葉は使いたくない。ちゃんとやってちゃんと勝ちます」と言葉に力を込めた。集大成の試合か未来へつながる試合かを問われると、「終わってみないと分からない。まだ答えることはできない」と話すにとどめた。
そして、本田会長はこの興行が、約15億円の売上があったといわれる1988年3月の3団体統一ヘビー級王者マイク・タイソン-挑戦者トニー・タッブス(ともに米国)戦を上回ることが「間違いない」と、国内史上最大になると明言。ファイトマネーは具体的には明かさなかったが、ゴロフキンは1000万ドル(約11億4000万円)とみられる。村田については本田会長は「問題なく(日本人)最高額」と話していることから数億円と推測される。また、試合は国内はアマゾンプライムビデオが独占配信、海外はDAZNが約200カ国に配信する。
◆日本で行われた過去のビッグマッチ…マイク・タイソン-トニー・タッブス(ともに米国)は88年3月に東京ドームのこけら落としで行われ、3団体統一ヘビー級王者タイソンが衝撃的な2回KOで防衛。5万人以上を動員し、15億円を売り上げたといわれる。タイソンは90年2月にも東京ドームでジェームス・ダグラス(米国)と対戦。10回KO負けの番狂わせで、またも衝撃を与えた。