矢吹正道VS寺地拳四朗 来春再戦へ WBC指令に両陣営合意もJBC対応に激怒
9月のWBC世界ライトフライ級王座戦で“バッティング騒動”が持ち上がっている同級王者・矢吹正道(29)=緑=と前王者・寺地拳四朗(29)=BMB=が来春に再戦することで合意した。試合のプロモーターを務めた真正ジム・山下正人会長(59)、緑ジム・松尾敏郎会長(73)、BMBジム・寺地永会長(57)が15日、大阪市内で会見。WBCから再戦指令が届き、両陣営が合意したことを明らかにした。
バッティング騒動で遺恨が生じた両者が再戦で決着をつけることになった。新王者・矢吹の今後2試合の興行権を持つ山下会長が10日にWBCからの再戦指令を受け取り、この日両陣営が合意したことを明らかにした。
バッティングに対する主張では譲れない部分を残す両陣営だが、試合で決着をつけるという考えは一致している。「やることは全然問題ない」と松尾会長が言えば、寺地会長も「再戦できた時には勝っても負けてもいい試合だったねと終わりたい」と答えた。
会長3人が怒りを示しているのはこの件に関する日本ボクシングコミッション(JBC)の対応だ。WBCからJBCに届く通達などが、当事者へ一切伝わらず混乱を招いた。
今後の防衛戦計画も進められず業を煮やした松尾会長は10月29日に、JBCの成富毅事務局長に状況を問い合わせた。「『次の試合は緑ジムがチャンピオンですから選択試合を行ってください。再戦命令は来ていません』と、はっきり僕は聞いています。録音もとっているので言い逃れはできない」と明かす。
これを聞いた山下会長がWBCに確認。JBCからは連絡のないままWBCから山下会長に直接、再戦指令のレターが届いた。山下会長は「すべてに対して回答が遅い。選手の生命を預かっているということだけは分かってもらいたい」とJBCの不誠実な対応を批判した。
進退を明らかにしていない拳四朗は今月中に会見を行い、現役続行を表明する。再戦時期について山下会長は「春ぐらいに行いたい」と語った。紆余曲折を経て来春、因縁のダイレクトリマッチが実現する。